予想、回顧、コラム

血統を語る、競馬予想ブログ「ぶらっと競馬場まで」

上半期GⅠ前半回顧

読了までの目安時間:約 2分

 

「世紀の」コパノ風で始まったGⅠシーズン。
世紀の波乱を馬券的視点から捉えると、今までのダートGⅠ単勝最高払戻額は、
11フェブラリーS テスタマッタ 2430円
03JCダート フリートストリートダンサー 4930円
27210円という結果には、馬券狂の期待も最高潮に。

で、次は世紀の不良馬場になったのだが…。
鞍上がゴール前からブーンと飛んでいくくらいの大楽勝という結果。
少々余計な出費を強いられたオーナーは、ずっとリチャードには肩入れしていたから、こちらは念願成就の初タイトル獲得。
「勝負事で儲けたらパッと使え」
穴好きの裏読みが幸運を運んできた。

古馬最高の栄誉を争った好カードは、結局長距離GⅠの実績馬同士の決着。
秋とは違い、入れ替わりの激しさがあるわけでも、実力が直接反映されるとも限らない特殊なレースだから、速さという要素も加わると、中距離型には難儀な条件なのだ。
ここまで、人気を集めた馬が全敗。この不穏な空気は続きそう。

一方、妥当な線で決まった牡牝一冠目。
桜花賞は戦前から想定されたビッグマッチで、世界前哨戦の意味合いも兼ねていた。ハープスターは確かに凄いが、2着レッドリヴェールの底力にも驚愕。
3戦連続休み明けで重賞を連対した馬というと、ビワハヤヒデが思い浮かぶが何か違う。ステイゴールド産駒独特の存在感があって、不思議な魅力が武器だ。

ダービーのことは忘れて、皐月賞単体で見ると上位2頭の中距離適性は高さを確認できた牡馬一冠。それぞれが持ち味を出して、適性や完成度が反映された結果。
大舞台に向け、トライアル時点から各馬の動きの再チェックが肝要だ。

 

レース回顧2014 競馬&予想コラム   コメント:0

最後の一花 ダンツフレーム(後)

読了までの目安時間:約 2分

 

勝ったことで失ったもの。
彼の場合、それは闘争心だったのかもしれない。GⅠ制覇の後、秋の中山から始まる苦悩の道程。

5-14-17-4-5
-18kgで毎日王冠を使われてから、10kg以上の増減を交互に繰り返し、休み明け4着だったレコード決着のマイラーズCで500kgを初めて超えた後は、体がそれ以上絞られることはなかった。
尻すぼみのグランプリホース。
そんな中、春の天皇賞から中一週で59の酷斤をものともせず、生涯最高の上がり3F33.7の末脚を繰り出し新潟で復活V。1番人気も宝塚記念以来。03年5月。デビューから4年連続勝利。

勢いをつけ、また中一週で安田記念に、そのまた3週間後には宝塚記念にも参戦したが、豪華メンバーの陰に隠れるように、脇役に甘んじた。元の木阿弥。
秋に予定したオールカマーも屈腱炎で回避→引退。種牡馬入り。
だが、翌秋南関東の能力検定に合格し、現役復帰。東京大賞典にも出たが、奇跡の馬にはなれず…。

いつの間にか種牡馬の道も絶たれ、どこかで乗馬になったという話を確認したのが最後。
次の聞いたニュースは、繋養先の乗馬施設で肺炎のため死んだという衝撃なものだった…。

アグネスタキオン、クロフネ、ジャングルポケット。
最強世代の隙間に埋もれた悲運の物語。こんな最期は…。

シェリフズスターも流れ流され、彼の地の乗馬クラブで天寿を全うしたことが某誌の取材で明らかになった。関係者が扱いやすく賢い馬だったと語っていたのが印象的。
器用さや安定感だけでは…。人生にも通ずる教訓譚。
彼にGⅠの勲章は必要なかったのでは?これに正解などない。

 

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天皇賞(春)-回顧-

読了までの目安時間:約 3分

 

皆素晴らしい競馬を見せ、結果はフェノーメノの連覇となったが、力勝負の天皇賞を今年も見られたことを、この上なく幸せに感じる。

ただ、武器が違うと結果に大きく差が出るということが、如実に表れてしまったのも確か。
昨年よりコース取りに窮屈さはあったが、スマートに内から外へ持ち出した人馬のリズムは、追い込み勢のそれとはまったく違った意味で、GⅠを勝つに相応しいものがこの連覇コンビにはあった。
全てを受け入れ、できることをする。競馬の基本形をしっかりと体現していた。
正直、昨年よりパフォーマンスそのものは落ちていたと思う。時計も要した。でも、今年は今年で違う強さを見せてくれた。
古馬の戦い方を、復活勝利という形で示せた意味は大きい。フェノーメノを改めて、称賛したい。
さすがに、昨年のような展開になることは、今度こそ競走馬として命取りになるから無理などしないだろうけど、敢えて、この馬にこそ凱旋門賞へ…、という希望を記しておく。
昨年のフェノーメノには、ここまで巧みなコース取りで競馬できなかったはずだ。

セオリーというのは、真の大勝負でこそ遵守したいもの。
ウインバリアシオン然りゴールドシップ然り、そして、キズナもそうだったのだが、4角ではこれは差しが決まるなという予感は実現ならず。いつの時代も大外一気は決まらない。
だから、この結果を気にしないという見方もできる。
ただし、フェノーメノと違って、凱旋門賞と似たような内容に終始したキズナの
「総合力でねじ伏せる」
というテーマは、今回も持ち越しに。
最初から抱えていたジレンマを解消できなかった。己の弱点として受け入れるべきだ。

凱旋門賞というレースも、日本人の持つ先入観とは別の次元の意味で、春天のように特殊だ。
大きな舞台のステップに…。フェノーメノが示した長距離適性というよりは、長距離の高速レースへの対応力は、ズブさと同時に手に入れられる万能性の証明でもある。

完成すれば、うまく脚をためて自在に動けるようになる。
今回は、フェノーメノから学びたい。
そして、その同期ゴールドシップの無事を心から祈る。

 

レース回顧2014   コメント:0

天皇賞(春) -予想-

読了までの目安時間:約 4分

 

好メンバーが顔を揃えるも、オルフェーヴルに子ども扱いされた有力馬2頭が、直前での鞍上正式決定の運びとあって、オルフェの因縁は未だ…。また新たなドラマが生まれる予感もする。

ずっと懐疑的だったから、今更人気の追い込み勢を本命視するのも何だし、でもその他の先行タイプも…。
一昨年のビートブラックの快走によって、穴党の中にある「ボーダーライン」が、大分不可能な方向へシフトしたのをいいことに、昨年はそれをまねて大失敗したが、その時の本命馬が豪華絢爛の前哨戦で2着だったから、一年早かったとまたしても地団太を踏む結果になって、ちょっと不満が募っている。

悔しいから今年も馬券的妙味を追求してみると、京都巧者がやはり優位に立てるのではと、そこから穴馬探しを始めてみた。
メンバー中最多勝は、よりによって大外を引いてしまったデスペラードの6勝。芝に限定すると3勝。ここにはキズナとオーシャンブルーという買い目に入れたい馬が加わり、2勝した馬となるとまた4頭いて…。

そこで、近2走2400M以上の重賞で掲示板に載っている京都芝2勝以上の馬と括ってみると、
アドマイヤフライト
キズナ
サトノノブレス
ラストインパクト
の4頭になった。
今年は3000M重賞の好走馬も多いから、敢えて未知の魅力に期待して距離未経験馬を調べると、列挙順上から2頭までに絞り込めた。

昨春は不完全燃焼の感もあった2頭。
弥生賞5着で、目標をダービーにのみ絞った英断は勝利に繋がったキズナだが、皐月賞に出られていたならもしかすると…。
ダービーを勝って、凱旋門賞にも挑戦してという流れに言いがかりをつけても仕方ない。

そうなると、冬になってようやく本格化の気配を見せ始めたアドマイヤフライトに気持ちが流れてしまう。
前走は、特殊なコースで一番早く仕掛けていって止まってしまった度外視できる内容。
ムラな面は否定できないが、その前までは2200M以上の競馬をフレッシュな状態で使われていれば、連を外したことはない。
もともと順調に使えなかった馬で、昨春は休み明けから3連勝で日経賞に挑んで負けてから、降級後もパッとせず、また休んで仕切り直して、今に至る。
高速決着への不安は、血統、戦績の両面から推察されるが、ビートブラックと比べ、2400Mの持ち時計では0.1劣るだけ。
最近のトレンドは、いかにも中距離重賞で見劣りする馬がよく単穴を出す。
更に、近10年で500kg超えの馬が3頭勝っているのも心強い。

追い込み馬よりは…、の論法。
キズナのレースぶりから、叩き合って勝つイメージはない。距離不安がなくとも、父のように捲れば流石に止まるだろうし、馬場への意識がユタカマジックを引き出すかもしれないが。
体調面に不安は残るが、対抗はフェノーメノ。他の候補に見劣らぬ底力を秘め、連覇の可能性も十分ある。

 

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顕彰馬と遠征

読了までの目安時間:約 2分

 

オルフェーヴルが最後の有馬記念を圧勝。「芝GⅠ7勝」という近年の選定基準の傾向には適わないが、三冠の箔と合わせれば、顕彰するに相応しい馬だということは再確認できた。
いずれ、ジェンティルドンナも選ばれるだろう。三冠馬は特別だ。

凱旋門賞での惜敗の記憶がこちらも鮮明に残るエルコンドルパサーが、この世を去って11年の時を経て、ついに顕彰馬に選ばれた。
凱旋門賞にただならぬ因縁を持つ2頭が、21世紀に入ってからずっとこの制度のボーダーライン際に立たされ続ける。
思えば、海外のレースを使っている馬が、タイキシャトル以降ずっと選ばれてきた。
今年同様、10年前に特別ルールを適用して選出されたタケシバオーも結果は出せなかったが、海を渡っている。

ウオッカは渡仏叶わず、ドバイでも結果を残せなかったが、その分東京競馬場で何度も主役を張り、ついにはそこに像が立った。
今年も票数2位のブエナビスタは、父の票数を上回り続け、きっと父は選考対象から外れるのかもしれない。現制度の犠牲者となってしまうのか。
両者の父は共に、海外遠征に縁はなく。父娘の絆は、父超えで強く結束した。

ハクチカラやシンボリルドルフとその祖父スピードシンボリ。
どんなに時を経ても、日の丸のプライドを掲げた戦いが殿堂の扉を開くきっかけとなる。

今、候補は溢れかえっている。
海外のタイトルホルダーは、隔年ごとに誕生している。が、それは選出の絶対条件ではない。
ジャスタウェイさえも特別に非ず。だからこそ、強くても選ばれなくなった。
ロードカナロアだって…。
日本のGⅠは全て国際競走。故に、国内の好成績も勲章となる。

 

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