予想、回顧、コラム

血統を語る、競馬予想ブログ「ぶらっと競馬場まで」

盾が怪しい

読了までの目安時間:約 2分

 

古馬チャンピオン路線の5競走は、世界に通ずる格の証明書という側面を持つ。
春の天皇賞の勝ち馬から海外遠征に成功した馬がいないので何とも言えないが、昨年の3着馬・レッドカドーは十分基準になる。年齢から上積みは望めないが、とても貴重な存在だ。

日本馬は強い。
オルフェーヴルに敗れた面々やキズナなど、今回はダービーコネクションが主軸となる競馬。
彼らは総じて差し・追い込みタイプ。多少距離に不安があっても流れに乗れさえすれば、ある程度までは我慢できる。
今回はそれに加え、鞍上のスイッチがポイント。
ゴールドシップは、4年前の勝利騎手でもあるC.ウイリアムズを鞍上に迎える。馬次第ではあるが、マイナスは今回は少ないように思う。積極策もある。
それと比べ、ウインバリアシオンの方は…。みんな頭が痛い。

時計の壁は、ほぼ全ての馬が乗り越えねばならない。
少し時計を要する馬場での実績は、むしろマイナス材料。自分から動けるかどうかも重要だ。

格のある馬が順当に来るという、長距離戦の常識はすでに破たんしている。イマイチ君救済レース。今の実態だ。
そのイマイチ君で最も強いだろうフェノーメノの叩き一変は怖い。
特殊な条件だけにリピーターも多く、なぜかそれは関東馬が多い。
関東馬全盛時代の遺産なのか。

ユタカ&キズナの信頼関係の深さを再確認する主題が衆目の一致するところならば、前に行く馬の穴狙いが最も単純な対抗策だろう。
残りの春のGⅠは、逃げ馬の質が鍵を握りそうだ。その初っ端がこの天皇賞。
ただ、逃げそうな馬の時計が足らないのが玉に傷。安易に狙えない。
読み切るのが難しい、豪華決戦となる。

 

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フローラS -回顧ー

読了までの目安時間:約 3分

 

マジックタイムは休み明けだったから、あっさりがあるならイサベルの方かと思っていたのだが、双方力を出し切れなかった。春の3歳牝馬のこと。パドックで見たイサベルに、前走圧勝というオーラは感じられなかった。敗因は全てのマイナス材料であろう。

休み明け、初コース、体重減。
一族で最も成功を収めた姉ブエナビスタが、どちらかというと成長曲線が持続性のある一定しているタイプだったから、極端な体重増で成長力を示すことがない代わりに、精神的な部分の影響でもない限りは、異様に体を減らすこともないといったいい面が似ているのだろう。
サングレアルは新馬もそうだったが、こんな馬が人気になって大丈夫なのか?という、か弱さが前面に出た小さな体をしている。
もし新馬と今回で違うものがあるとすれば、マイナス材料が多かった割に姉のような他をまるで意識しない神経の図太さが身についていたように見えたところか。
走破時計が前回より速くなった分、上がりは競馬の印象と違い、時計を縮めた分だけ遅くなった。快時計に向かない性質は一族の共通課題だから仕方ない。

それはオークスまでなら大丈夫だろう。ただ、次も勝ちきれるようなインパクトを求めるのは流石に厳しい。キャリアがあまりに少なすぎる。衆目の2番手当確か。

そんなうら若き少女を駆った岩田騎手は、終始目前にマッジクタイムを見据えて、思い通りの追い出しから、最後は大外に持ち出していた。直前の出来事も影響あり。だから、快勝ともいえる。

そのマークされた側のマジックタイム。
直前のレースを勝った杉原騎手は、次はマジックタイムを心中複雑な中検量室から見るはずだったが、何の因果かかつてのお手馬が手元に戻ってきた。
レースは卒なく乗れた。が、最後に止まってしまった。距離は長く、またレコード決着も休み明けでは厳しかったということか。
騎手は敗因ではない。

サングレアルと小差だったブランネージュや、桃色帽のマイネオーラムも距離と格に目途が立った。マジックタイムだって、叩かれて次がスローでも折り合えればまだわからない。
この組は、じっくり見直したい。

 

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フローラS 予想

読了までの目安時間:約 3分

 

この世代の牝馬の中核を形成しているのは、阪神ジュベナイルフィリーズ(JF)上位組だ。

その阪神JF組でこのレースを制した例をひとまず調べてみたのだが、阪神3歳牝馬Sと改称後、出走条件が絞られて24年も経ったというのに、まだスティンガーしか勝っていないのだ。もちろん、前身の4歳牝馬特別時代の話。

時代は流れて、今阪神競馬場の様相は大きく変容し、新コースのマイル戦からは歴史的名牝が湯水の如く、毎年のように出現している状況。そこから中一週でここに挑み、また3週間後のオークスに出て結果を出せるほど、日本の競馬は落ちぶれていない。

ちなみにだが、スティンガーの前でこれに該当すると思われるのは、桜花賞を制した後に叩き台としてここに挑んできたメジロラモーヌ。その頃2歳の牝馬が暮れに目指したのは、中山マイルで行われていたテレ東賞3歳牝馬S。当然、ラモーヌはそのレースも勝っている。

回りくどいついでに、穴党はその辺りから今回2頭いるJF組を切る捨てる要素を探していけばいいという事だが、逆に言えば、それに逆らうという意思表示でもある。

母が勝ち切れなかった舞台で、娘がたった一度しかない名誉挽回の機会を得た。
タイムウィルテルがシンコールビーにハナ差屈したのは、今から11年前の春。奇しくも、前述のメジロラモーヌ以来17年ぶりの三冠牝馬が誕生した年だ。
翌年ダービーで2着激走するハーツクライが父という、クラシックの落し物拾いを宿命づけられこの世に生を受けたのがこのマジックタイム。
彼女は期待に違わず、両親が得意とした左回りで結果を残して、除外されることなくJFへと参戦。

だが、恐ろしいまでに猛々しく、あまりに逞しいライバル相手に掲示板にはわずかに届かず。
そこで3着だったフォーエバーモアに、クイーンCでも先着を許し…。
父がダービーでカメハメハに粉砕されて不遇の時代に突入したように、母もこのレースで曰くを残した。
母の父ブライアンズタイムの傑作たる三冠馬を天皇賞で破ったのは、紛れもないシンコールビーの父サクラローレルである。

名馬の血が、因縁深く絡み合うのがクラシック路線。
結論としては、実績からここでは格上だろうという評価。

父とは因縁のあるディープインパクト産駒で、期待の一頭に数えられるイサベルを挙げようと思ったのだが、血の軌跡を辿っているうちに、つい浮気をしてしまった。一発はある。
前走阪神組は、人気あるなしに関わらず押さえは必要。距離延長は微妙かもしれないが、ブランネージュはさすがに切れない。対抗ニシノアカツキと同格評価で、フラワーC組の決め手には疑問もあり、広い馬場の好走歴を重視する。

 

レース展望2014 重賞レース予想2014   コメント:0

オルフェーヴルへの質問

読了までの目安時間:約 2分

 

阪神大賞典で終わる、と思っていた。
前走有馬記念は異常すぎた。常識的な概念を飛び越えるパフォーマンスで古馬緒戦を制したならば、必ずや反動が出ると思ったのだ。
事後にデータを調べた。2400M以上の競馬をひたすら使われ続けると、必ずどこかで墓穴を掘る。
結果、馬は行く気を抑えきれず、それを制御しようとしすぎた騎手とのリズムは崩れ、互いを信じられなくなっていった。報いということか。

思えば、走ることを自ら拒否したことが2回あった。
一つは、大凡走の天皇賞。
阪神大賞典後の一戦で、立て直しは不可能という絶望的な状況。
でも、宝塚ではオルフェが戻った。あの日は一体…。
人気を背負って挑んだ、最初の凱旋門賞もそう。
ソラを遣ったのは事実だが、スミヨンは、
「ロンシャンの重馬場であんなに鋭く反応する馬がいるはずはない…」
と、思ったのだろう。これも騎手との関係がチグハグだった。
でも、調子がイマイチだったのだろう。JCも不発に終わった。

有馬記念とフォア賞。
何かある前には必ず勝っていて、おまけにその後もこの2レースを勝っている。
ここに動物的嗅覚の鋭敏さを感じる。防衛本能ともとれるが。

それでも、これはよくわからない。
阪神大賞典は、自分としたらあのまま行けてたら、余裕のよっちゃんだったのか?
謎だ。
もし答えがノーならば、完調に程遠い宝塚は勝てなかったはず。

今も人を信用しているか疑問だから、質問の際には代理馬を通してみるのもアリか。
でも、こう返してくるのだろう。
「俺とか、去年一緒に走った若造とは違うタイプが、凱旋門勝つね」
名馬の分析など、ナンセンスの極みなのだ。

 

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ヴィクトリアマイル展望

読了までの目安時間:約 2分

 

直前で何かを掴んだ者が勝つ。
力関係からして、エリザベス女王杯の段階で、メイショウマンボがもう少し人気を集めていて然るべきはずだったが、実際はそうならなかった。
そのメイショウマンボが急遽、こちらの違う意味で厳しい一戦に参戦する模様。全体が一変したのではなく、元に戻った感じ。
複雑かつ難解な勢力図であることに変わりはない。

ヴィルシーナ感動のゴールから一年。以降、ハナ差届かなかった前々年覇者が元気を取り戻し、ついには苦手の渋馬場で東京新聞杯を勝ってしまった。
ヴィルシーナ、どうした?

中距離路線からは有力馬が出てきた。
前述のメイショウは、女王杯後は一度しか使っていないから評価は保留状態も、フーラブライドやスマートレイアーなどが秋から一気に力をつけてきた。
愛知杯で対戦しているが、武器が違うから得意条件も当然異なる。
恐らく、どちらにも次の舞台は厳しい条件ではあるだろうから、取捨は慎重にしたい。

意外とメンバーの集まりそうな福島牝馬S組は少々不気味。
キャトルフィーユやケイアイエレガント。それに続いたアロマティコもいい加減怖い。
マイルなら巻き返して不思議ないミッドサマーフェア、トーセンベニザクラ。これだけ挙げてまだ書ききれないくらいで、絶対見逃せない。
京都で結果を残したウリウリは阪神でも上々の内容で、レース傾向からも切ることはお勧めできない。

軽い印象の馬は少ない。総合力だけでは勝ち切れないだろう。
元に戻った。その真意は、東京マイルではどんな才能が引き出されるか不明確なので、やってみないとわからないということだ。
だから、若い方が有利なのだ。

 

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