予想、回顧、コラム

血統を語る、競馬予想ブログ「ぶらっと競馬場まで」

騎手批評(後編) ヤスとスミヨンとユタカ

読了までの目安時間:約 2分

 

ヤスとスミヨンとユタカ
この三者、今週は完敗と言える内容だった。
やれることはやった。故に、責められるいわれなどない。
 
ヤスは素晴らしかった。
土曜の京都で4勝も、重賞の騎乗馬が順調に使われての参戦ではなかったから、それは仕方がない。
そして何よりも、スプリンターズSに臨む姿勢、そして内心焦りのある中で無駄なく馬の走りをアシストした冷静な騎乗は、こちらも安心して見ていられた。
引退カードのチラ見せで、本来の柔和さを取り戻せたか。
 
これこそが主戦騎手の仕事。
彼には、もっと高みを目指してもらいたい。柔らかさがまだ足りない。
 
そして、凱旋門賞。
騎手は馬の能力発揮でのプラスはあっても、絶対能力を高めることはできない。
 
同じ三歳でも、日本馬とフランスの牝馬では成長曲線に差がある。
この敗戦は、日本の古馬参戦主義を強く肯定することにはなったが、騎手としてやれることを全部出来たユタカは、馬場を恨めしく思う気持ちを口にはしなかった。やっぱりスマートだ。
 
スミヨンが影のようにオルフェーヴルをエスコートしていた、いや跨らせて頂いていた姿が頭から離れない。
主戦の池添同様、彼も昨年の事があったから、この馬に乗る者は一貫して馬任せに徹した。
 
もし、批判するとしたら、お互いもっとリスクを取るべきだった、ということか。
「芝がもっと乾いてくれたら」くらいは言ってほしかった。
それは京都大賞典を観た後だったから。内田博幸が気になった。天皇賞と同じ。
陣営は、器用さを追い求め過ぎている。
 
名手には、作戦変更の権利がある。
その権利を投げ棄てたように映った好位取りつきが、何とも物悲しかった。
 

 

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凱旋門賞回顧

読了までの目安時間:約 2分

 

チームジャパンは完敗。
テン乗りであくまでも牝馬チャンピオンに過ぎなかった対抗馬に跨り、実に落ち着き払った競馬で、レースを完全にコントロールしたジャルネ騎手と末恐ろしい才能を秘めたトレヴに、ただただ驚愕するより他なかった。
素晴らしい。オルフェを渋馬場で相手にしない馬なんて、今世界を探しても彼女以外には存在しないだろう。
 
一方、上昇力という点で疑問があった日本馬。
重馬場の前哨戦で消耗してしまったかどうかより、仕上げ方が日本式ではこの団子状態の多頭数の競馬に耐えられない。
言いたいことがある。
体重が30kg増えたとしても、体調さえよければ日本馬が反応の差で負けたりはしない、と。
 
そして、何よりもオルフェーヴルにはスパーリング相手がいなかった。
競馬に行って強い馬なのに、本当に強いと言えるライバルはここ2年でジェンティルドンナくらいしか現れなかった。
闘争心を点火する材料がなければ、最強馬とてアクシデント続きの流れの悪さは断ち切れない。
これも試練だろう。
去年からずっと牝馬に負けていた。
女に弱いなんて、ちょっと泣かせる男だ。
 
キズナもライバルはいなかったと言える。
後ろから行って勝負になる程度のメンバーしかダービーにはいなかった。
惜しむらくは、オルフェーヴルがライバルでなければ…。
早く仕掛けるしかなかったトレヴとオルフェの存在感が、ゴール前の脚勢に出た。
決して、圏外という力関係ではなかったはずだ。
 
先行して後続を抑え込めるような、日本馬らしい快活な競馬をする才能が一年でも早く現れてほしい。
何故なら、そんな馬を負かせるほど欧州の馬はスピードがないからだ。
 

 

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新馬回顧 10/5・6

読了までの目安時間:約 2分

 

東京が土曜一番手。
雨の影響か、人気のダイワレジェンドは名前の印象通り牡馬だったら…。
粘り込んだヴァイスフェッターは、牝系が南米血統で息の長い活躍が期待される。
 
京都は良馬場。
西では人気馬が正しい競馬で新馬勝ち。レーヴドスカーの牝駒は3頭全てデビューウイン。ボトムラインとしての信頼は厚い。
父ロブロイ替わりで半姉よりは地味だが、怪我のリスクは減るはずだ。
 
ダートはトリックデックの圧勝。1600くらいまでは挑戦してほしいゴールドアリュール×ノーザンテースト。人気のサチノクイーンは恐らく単調なタイプで、付き合いが難しそう。
 
新潟は牝馬戦。勝ったサクラパリュールは490kg。多重クロスが特徴でサクラメガワンダーの近親。アルテミスSでも穴なら怖い。
 
今週の京都は高速馬場。
グラスワンダーの仔と孫のワンツーで、レコード決着。
勝った孫のモーリスは、メジロボサツ系で走りっぷりにも重厚感があった。
 
東西とも、日曜日は1800戦が行われた。
時計も上がりも平凡だったが、西はこの高速馬場をこなせたのはリルダヴァルの半弟のヴォルシェーブだけという感じ。
ネオの仔だから、52秒台の時計も味方した。渋いレース向き。
 
東京は渋残り。
今日は人気に応えた藤沢&カメハメハコンビ。
コディーノの全弟トレクァルティスタが、最後少々行儀の悪い走りを見せたものの初陣を飾った。
追いつめた牝馬のラインハーディーは、トウカイポイントの姪っ子。古馬になってからか。
 
 
重の東京ダ1400戦は、ダイワメジャー産駒トーセンマイティが接戦を制し、新潟はアドマイヤコジーンの仔サフランスカイが、好位抜け出しで快勝した。
 

 

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菊花賞展望

読了までの目安時間:約 2分

 

もう決まりだろう。
今年の3歳世代、この夏古馬重賞を勝つことはついになかった。
さすがに、9月あたりから1000万でも力をつけた馬が出てきたが大分物足りない。
キズナだけ…、という気配も漂ってきたこの世代。
ロゴタイプの札幌記念も寂しすぎた。
 
だから、ここも1000万勝ちくらいの実績があればと思ったのだが…。
絶対数が少ない。
 
故に、穴馬は重賞実績馬が中心だろう。
2200以上を勝っていない馬で、優先出走権を持たない重賞未勝利馬が本番で好走する要素はただひとつ。
時計である。
過去10年で見ても、スリーロールスが1800でレコードと0.3差の快走後に菊花賞制覇。オペラシチーは小倉2000を1:58.3の好時計で勝っていた。
距離への耐性の見極めは重要だが、それは才能に比例する場合がほとんどで、着差を開けているだとかはっきりした形で現れるもの。今年は…。
 
穴になるわけないが、ユールシンギング・マジェスティハーツは言わずもがなの候補。
あとは、何といってもハンデ。数少ない1000万勝ちの馬で、展開は向いたが、33秒台の上がりを使えるというのは、正直鬼に金棒だろう。
それと、神戸新聞杯からはラストインパクト。セントライト記念組はハンデが一戦経ているので、他ではアドマイヤスピカが差すことに関してはマジェスティハーツに劣らぬポテンシャルを秘めていそう。
 
ここまでは、着拾いの候補。
単穴は、ケイアイチョウサン。スクリーンヒーローやソングオブウインドを送り込んだラジオNIKKEI杯は軽視禁物だ。
オルフェの結果如何では…。奇跡を呼ぶステイゴールド産駒は、宝塚と菊では外せない。
 

 

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2歳馬選定 9月

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酷暑の影響で有力新馬の調整に遅れが生じたか。思った程のメンツは…。
先々楽しみな馬は、まだたくさん残っている。
一度、この4か月分を整理してみようと思う。
 
重賞は牝馬が独占。
目標となる最長距離は2400なので、長距離型の馬ばかり追っても意味はない。
故に、新潟、札幌両2歳Sの覇者は、むしろ本番での結果の方が重要なので、勝ち抜けということにする。
そして、スプリント重賞のウイナー2頭だが…、
 
生き残り
クリスマス
ホウライアキコ
こういう扱いでいいだろう。
 
2戦2勝。レコード勝ちの箔まで共通する2頭を、どうも煮え切らないOP特別組と同等に扱うことはできない。
強いと思う。
後者は、週末のデイリー杯に登録しているので注目だ。
 
ただし、新馬勝ちまたは、早いこと未勝利を脱した馬で、まだ1勝クラスに出ていないグループは、ややここまで差のあった重賞馬とその他の間にはハマってきそう。
今年のクラシック世代が、どうも格差が大きい部分があったので、来年ももしかすると…。不安は早めに払拭してほしい。
期待したいのは、
 
・ホープタウン    小倉<未>
・サトノアラジン   新潟
・プライマリーコード 函館
・ミュゼリトルガール 新潟
それと、アスター賞勝ちのウインマーレライの5頭。
 
今開催デビュー組では、
阪神
アトム・ヴィンテージローズ・バンドワゴン
中山
最終日のレッドルシアン、ディアデルレイ
 
500万・オープン特別組では、前記の1頭に加え、最終週の芙蓉S勝ちのマーブルカテドラルが首の皮1枚残した感じ。
 
後述組はウイン、重賞馬はホウライアキコに味わいを感じる。
アトムとプライマリーはデイリー杯出走予定。楽しみだ。
 

 

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