血統なるもの
盾獲り物語の最終盤は、デインヒルやストームバードなど、本質2000までがギリギリの種牡馬が母父に入っている同士で消耗戦を競った。
でも、この2頭は2000M以下の重賞を勝っていない。父も同様。
脚質がまるで、母父のダンシングブレーヴそのもののホッコーブレーヴは、勝負が決まってから突っ込んでくるタイプ。
この結果は、多頭数の競馬に向かないこの距離独特の性質を示し、それはまた、日本競馬のジレンマそのものでもある。
これが、キズナの怪我の遠因ともなった。血統のイメージが結果とリンクしないレースは、最も敬遠すべき勝負だったようにも思える。
いつもと違うことを要求したから負けてしまい、怪我もした。残念だ。
ディープはマイルで強い。
桜花賞の4連覇に加え、昨年はマイルCSとVマイルも勝っている。
中山は苦手とされるが、桜花賞の舞台に朝日杯が移設し、最後のピースも間もなく埋まるだろう。
ミッキーアイルが、ロックオブジブラルタルの影響を受けているのは間違いない。
母やその父と似たところを体現していたサトノルパンも人気を集め、ディープインパクトが、父の最良の後継者として君臨する理由が全て含まれているマイルCの結果であった。
この2週間で、ディープインパクト産駒の真実を問う、
「血統なるもの」
が見えてきた。
キズナは、同父のミッキーアイルと本質的な部分も同じという可能性があるのではないか。
その真相は、実は異父姉に根拠を求めることもできたはずだ。
もし血に抗えたなら、天皇賞はもちろん、ダービーもエピファネイアの末脚を好位抜け出しで封じ込めていたのだろう。
でも、結果は違うのだ。