予想、回顧、コラム

血統を語る、競馬予想ブログ「ぶらっと競馬場まで」

天皇賞(春)展望

読了までの目安時間:約 2分

 

キズナは王道路線を選択。豪華メンバーの揃った4歳緒戦は半年ぶりの実戦も、陣営から、
「何で2番人気だったの?(笑)」
とウイットに富んだコメントまで飛び出し、不安は杞憂に終わった。

ゴールドシップやウインバリアシオンも人気に応えた現状は、今後のチャンピオン路線に極めて明るい展望を期待させるものがあるが、有力馬全てが追い込みタイプというのは大きな不安材料。
盾占いは、案外ジョーカー探しの側面を秘める。

過去10年で、血統的要因もあるだろうが、3角で出走頭数の半分より上の通過順で馬券圏内に入っていた馬は何頭かいるが、勝ち切るには時計や少頭数などの条件が必須。20年に範囲を拡大してみても、納得の時計で勝ち切ったのはマヤノトップガンのみ。
もちろん、少頭数ならばそれはあってないようなものだが、道悪等のアシストがなければ、追い込みきれない。
トップガンの走っていた頃より、下位評価の馬のスピード能力はずっと向上している。
また、ディープインパクトが勝って以降の勝ち時計の推移をざっとまとめると、走破時計は3:14.5以上でないと、良馬場の平均時計にさえ及ばない。

ディープの傑作ともいうべき存在が、その常識を打破する可能性はあるが、父は3角でなんと4番手であった。
キズナは時計の速い競馬では、存外目立った実績がない。

粗探しは百も承知も、穴は先行しそうなタイプがいいだろう。
ならば、距離適性よりも器用さなり、時計勝負への強さが鍵。
時計のある馬に拘る手もあるか。
一応、アンコイルド、サトノノブレス、トウカイパラダイス辺りがオッズ相応で狙い目となるだろうが、頭までは…。

 

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最後の一花  ラインクラフト(後)

読了までの目安時間:約 2分

 

変則二冠達成から4か月。
夏を越して彼女に突き付けられた、成長と距離という課題。
エアメサイアとの激闘から始まった苦闘のシーズン。
掛かった。仕掛けが難しかった。
エピファネイアとキズナの構図と同じ。
2戦2敗。春は相手にもしなかったのに、距離という壁は、スケール感の差だけでは乗り越えられなかった。

得意のマイルで復活を目論んだマイルCS。
層の厚い4歳勢を中心に好メンバーが揃い、レースレコードで決着。絶対王者・デュランダルに引退を決意させた一戦。3着と健闘も、人気を上回る結果とはならなかった。

極めつけは、最後の12月開催・阪神牝馬S。逃げて失速…。断然人気を裏切った。
勝ったのはユタカ&Aグルーヴ。いいペースメーカーになってしまった。
つい先日とは真逆…。

休んで変わる何かもある。早熟性だけは否定せねば。
スプリント戦の高松宮記念から復帰。
落ち着いた流れから、直線いい脚を使って伸びるも前を捕えきれず。

なら1400で。
勝った。それもエアメサイアに。
自分の庭では負けられない。

これでヴィクトリアマイルは自分のもの!とはいかず。
桜花賞馬は桜花賞馬でも…。
牝馬の復活には時間がかかる。ダンスにはダンスの苦闘がある。

しかし…。
夏の休養がみんなにとって永遠の別れになった。

管理した瀬戸内調教師は、タフに馬を使い込む傾向があった。
最後に勝った牝馬Sも中一週。
しかし、使い込んだ馬をことごとく復活させたのもまた事実。オグリ然り、ネオも然り。

永遠の逃避行。謎は謎のままにしておくのもいい。
ただ、エピファネイアのライバルはクラフトの仔がよかったな、とは思う。

 

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私の嫌いなオルフェ

読了までの目安時間:約 2分

 

今週末行われる産経大阪杯の昨年の勝者は、天才のようで天才ではないあの三冠馬。
トライアルまで1勝の三冠馬なんて、クリフジしかいない。春から急に強くなることはあっても、スプリングSを勝つまではクラシック本戦出走も微妙なところにいた馬が、そこから変則皐月賞を制して…。つい3年前のこと。どうにも腑に落ちない何かがあるオルフェーヴル。
本質解明には時間を要する。

ロンシャンでの必然と苦悩の戦記をワンセット2度ずつ、世界の競馬人に紹介したオルフェ・フレンチキャンペーン。
ミスターフォア賞、雨男、騎手をも見下す無頼派…。個性派であると同時に、100点満点の競馬も少なかった。
阪神・中山巧者で、グランプリ大将の異名も陰ながら拝命した不思議な三冠馬は、理不尽な結果をもたらす可能性のある競馬で、その才能をすこぶる発揮するのであった。
3戦3勝。グランプリと称されるレースではパーフェクトの戦績。
4戦3勝のグラスワンダーよりも適性を感じたし、スピードシンボリの4年連続の有馬記念上位入線に勝るとも劣らぬ3、5歳時の強烈なパフォーマンス。
そのすべてのレースが、前走と最短中7週開いていた。フランスのグランプリで不発の理由がないわけではない。

思えば、休み明けはあの仁川の暴走以外全勝。
それだって、彼の意思を汲み取ってさえあげられたら…。
その幻の圧勝劇が、産駒への希望へと繋がる。

彼が持つ絶対能力は、もしや今の競走馬の身体構造では体現しきれなかったのか。
その本質を知ることができなかったから、全部好きになれずそこは嫌いになった。
謎さえ解ければ。でも、まだ3年勉強できる。

 

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産経大阪杯組の課題

読了までの目安時間:約 2分

 

これまでディープ産駒のクラシックホースで、古馬タイトルをゲットしたのはジェンティルドンナのみ。

その彼女を超えるためにも、キズナは一族の呪縛ともいうべき4歳シーズンの憂鬱から、まず脱却を図りたい。
ダービー馬も近10年では、当たりと外れがはっきり分かれているような状況。
基本的には、秋緒戦の神戸新聞杯連対が成功の鍵。皐月→ダービーの王道ローテであれば、古馬GⅠ勝利間違いなし。
例外はウオッカ。たとえ牡馬だったとしても、父のようにマイルカップ→ダービーという道程を踏んだかもしれない。
異質の存在という立場を、今こそ格の差で粉砕したい。

彼の終生のライバルとも言えるエピファネイアには、その点不安が少ない。
古馬になってから成長力を示した父と母父のバックボーンを十二分に受け継いだがための菊花賞圧勝であったことは、今更ながらいうまでもない。
取り立ててクラシックで燃え尽きてしまうような、激烈な競馬の連続というほど相手とやりあったわけでもなく、余力は十分だろう。
が、距離延長で結果を出したという事実。
裏を返せば、総合力では優っていても、GⅠを勝ち切るだけの決定力が足らないことも示してしまった。
速さにも少しだけ疑念があるから、ここは正念場ともいえる。

メイショウマンボの課題は時計。
秋華賞では高速馬場をこなしたが、2200M以上の競馬が向いているのも事実。
相対的な世代のレベルを見ても、平均より少し下くらいの印象。
格すなわち、強さであり速さでもありを証明できるか。

なかなかに歯痒い3頭のクラシックウイナー。自分を越えなければ、歴史に名を刻むことなどできない。

 

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砂の国の鏡

読了までの目安時間:約 2分

 

重い結果だと思う。
必然と滞留。

ジャスタウェイは、元より天皇賞の強烈な競馬と、到底対応不可能と思われた中山内回りコースを前回クリアしたことで、本番でも好走することは容易に想像できた。
血統構成だけ見ても、彼がアーリントンCで天皇賞の予告編を見せていたことの方が、むしろ今では不思議なくらいだ。

ジェンティルドンナは、年々タフさを備えた大人の馬に成長していった。
とはいえ、彼女は3歳春の時点で基本能力を全て示していた。
オプションを競馬を使って増やしていき、ウオッカのような走りで待望の海外GⅠ制覇へと繋げた。

日本馬には晩成型が多い。
サンデーサイレンスは平均的かつ理想的な成長曲線を描く馬を数多く生み出したが、幾分奥手の配合相手(牝系)との相性が抜群であったことも、大成功の要因であった。
この結果から、格を守る立場にある競馬界の中心的存在だという認識を、ファンも関係者も持たねばならなくなった。我々には、誇りを持って競馬をする義務がある。

日本の大型馬のジレンマ。
スプリンターとしては、決して大型ではなかったロードカナロアの成功。
タイキシャトルやデルタブルースとの違い。
スピード型ではなく鈍重なタイプがダートを走っている状況が、今も変わっていないということだろう。

結果、芝での実績やらダートでの安定感やらが、オールウェザーでは全く無意味なものになってしまった。
ダートのスピード競馬で足元を見られた結果は、本番での惨敗を見事なまでに明示していたのだ。
自身の認識の甘さも、ここは真摯に受け止めねばならない。強さと同時に速さも示していないと、万能性を問われた時は脆い。

 

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