騎手予想論

血統を語る、競馬予想ブログ「ぶらっと競馬場まで」

騎手論放言

読了までの目安時間:約 2分

 

中山記念で人気馬に跨った東西の名手。明暗くっきりの結果となったが、展開を読み切った大ベテランの大胆な騎乗に、改めて流石だなと唸ってしまった。
馬場状態を含めた不確定要素の多い状況で、積年の経験と技量がフルに発揮された。よって、その結果に不満を持つ者はあまりいなかった。

須貝師が、内田騎手を随分とこき下ろしたらしく、最近までその影も薄らいでいた。
同厩舎の同期は、今絶好調。それに呼応するがごとく波に乗った2人の騎手の好況とは雲泥の差。
今の競馬界に、騎手を育てようという気概はない。
この件、馬の視点から語られないのが切ない。

中山でより冴え渡る横山の手綱捌きは、最近の騎手に不足している勝負勘の鋭さによるところが大きい。
「勝ちに拘りすぎず、勝ちにいく」
その意味がわからないから、もう一度学校で…、とはいかないのが勝負の世界。
考えた分だけ、実入りに差が出る商売である。

ユタカマジックとはご無沙汰だったが、フェルメッツアを駆る姿は、翌週の人気にも影響を与えた。
同じレースでは、上り調子の岩田の十八番・インのポケット作戦が、3歳馬には貴重な権利取りと賞金加算に繋がった。
武器の見せ方、違いを見せつける技。互いにシーズン開始の準備が着々と進んでいる。

川田将雅は、今まさに瀬戸際に立たされている。
ハープスターでも、またトゥザワールドでも失敗があった。
勝てて良かった。弥生賞後のコメントが少し寂しかった。
例え交わされたとしても、一番強い競馬をしていたのは、間違いなくトゥザワールドだ。
敗戦の持つ意味が変わったことを理解した時、彼は真のトップジョッキーだと認知される。

 

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新馬回顧 3/8・9

読了までの目安時間:約 2分

 

今週は3鞍全てがダート戦。目先の一勝に拘るグループとそうではない者との思惑のズレによって、時に思わぬ展開を作ってしまうことがある。穴狙いに妙味あり。

土曜日は、人気馬の命運がくっきりと分かれた。馬場は両場とも稍重。
阪神1200戦で断然人気に応えたのは、アメリカ産馬のエイシンゴージャス。最近では珍しく、外国産馬4頭も出走していたが、それらも含め他の15頭とはスケール感が違った。
母父はストームキャット系。また、シアトルスルーの3×3というクロスを持っている母が、ダンチヒとミスプロ系を配されたエクスチェンジレートを種付けされたなら、当然の如くダート向きの大型馬が誕生する。
天性のスピード型。アメリカの誇りが凝縮されている。

一方の中山1800では、人気のダークファンタジーが不発。母親が活躍馬ということもあって人気を集めたロブロイ産駒だが、左回りをのびのび走らせた方がよかったか。芝も試してほしい。
代わって単穴をあけたチャオは、日本向きにシフトしたアメリカ血統といった印象のクロフネ産駒。やたらと時計を要した展開も合ったのだろう。ハマると怖い、穴男に育ちそう。

日曜日の中山1200戦は、良回復ながら好時計での逃げ切り勝ちを決めたワキノコクリュウの強さが際立った。ケイムホームの仔だから芝でも悪くはないだろうが、前日の阪神で勝ったエイシンゴージャスと同様、ミスプロ・ストームキャットに加え、こちらはボールドルーラー直仔のセクレタリアトのクロスが入っているから、よりゴツさが強調された印象。
メンバー中最重量の528kg。間違っても、菊花賞には出てこないだろう。

 

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POG反省会

読了までの目安時間:約 2分

 

POGを特集した1年前の競馬誌を読み返してみた。現在クラシック有力候補の写真も当然あったが、見た目と結果が伴わないのが常。
デビュー前の馬が10頭近く小さい写真に加え、その成長過程や特長が30字程記された小冊子の中では、あのハープスターでさえ2次候補の1頭に過ぎなかった。
幾らか丸みを帯びたラインからは、牝馬らしさよりは距離耐性の不安が見受けられ、マイラーの可能性をほのめかす育成者のコメントまであった。
母父はファルブラヴ。納得だった。

でも、松田博資厩舎の活躍馬には見た目の地味な馬が多い。
アドマイヤムーンもそう。決め手のありそうな体でクラシックを戦ったが、見せ場止まり。
古馬になってGⅠを勝てるようになった頃は、馬体の迫力は増したが、返ってキレる馬という印象は薄らいでいた。
ハープスターとそんなムーンの完成期の姿がダブる。
距離不安がなくなれば、もう怖いものなどない。

また、後の2歳女王の個別紹介はなく、2011年産馬の父親別産駒一覧の中に小さくレッドリヴェールという文字を見つけた。
ステイゴールド産駒の見極めは、実に難しい。

モンドシャルナは、この一族特有のバネを感じさせたが、今2勝目を挙げるのに四苦八苦。
そのすぐ下には、トゥザワールドの気品あふれる姿が映っていた。

ロゴタイプの半妹はパワフルさを覗かせるも、ズブさの方が先行して未勝利のまま。
前者には騙されず能力差を捉えられたが、後者にはまんまと騙された。(笑)
何を反省すべきか。
結局は、血統の華やかをいかに無視できるか。先入観は大敵。

鬼に笑われる遥か前から予習復習に励むのが、競馬社会の春なのだ。

 

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高松宮記念展望

読了までの目安時間:約 2分

 

ハクサンムーンの今期初戦直前。
その裏で、期待の候補はことごとくオープンクラス快勝後に敗戦を喫し、勢いがなくなってしまってきた。あのロードカナロアでさえ、馬場状態と重賞経験の浅さが災いして人気を裏切ったほど。

リアルインパクトは復調気配だったが、阪神Cを実力で制したとも言えないから取捨難解。
そこで不発に終わったコパノリチャードは、阪急杯を圧勝した。同じ距離で、季節柄馬場差もそれほどではなかったはずなのに0.7差あったから、リチャードがいかに前回凡走していたかが分かる。この勝利で、彼は有力候補の1頭に加わった。
リアルインパクトは、今週末1200適性を見出したい。

シルクロードSは年初からずっと高速馬場だったせいもあって、かなりの好時計決着。2月開催以降でのレースレコードでストレイトガールが快勝したが、平坦巧者であることは間違いなく、ロードカナロア臭もしなくはない。こういうタイプは、陰ながら力をつけて人気になる前に一気に大舞台で…、に期待するより他ないか。

番組の多い短距離準オープンの勝ち馬からも穴候補は毎年のように現れてくるが、路線の整備が進んで、この時期になるともうオープン特別がなくなってしまうから、結局重賞の格を身をもって体験している馬が有利。
なので、阪急杯で出遅れながら大混戦の2番手争いに加わってきたラトルスネークの末脚に脈ありとみた。
それなりの登録頭数になることは予測されるが、コパノリチャードの快走以降、何でもアリ状態の競馬が何となく続く雰囲気もあるから、こういうよくわからない空気感を持つタイプにはちょっと肩入れをしてみたい。

 

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新馬回顧 3/1・2

読了までの目安時間:約 2分

 

最近は、早デビューの組が年々増加している一方で、超晩成タイプをじっくり使いこむために、この辺の時期から有力馬を下ろしてくる陣営も案外多い。
近10年で見てみると、新馬戦がなくなった後に未勝利戦から使われた馬でGⅠを制したのは、オレハマッテルゼ、ジャガーメイル、デルタブルース・オウケンブルースリ、ハットトリックと5頭もいる。
フラワーパークやタイキシャトルもその仲間。
競走馬というのは、総じて晩成型である。

3月に入ると、新馬戦の数も一気に減って、土日とも各場1日一鞍ずつ。
土曜中山のダート1200で好位抜け出しを決めたのは、8番人気のアドマイヤコジーン産駒ウエスタンユーノー。以下2桁人気馬が続き、大波乱の決着。人気勢に、先行する意思が足りなかった。
阪神のダートは稍重。先週の悔しさをバネにしたのか、デムーロ弟がダート1800戦を連勝。新馬を勝ったウルティマミューズはカメハメハ産駒の牝馬で、母方は完全なアメリカン配合のダート型だが、この日の体重は444kg。いい意味で進路選択に迷うかも。

日曜日は、2000(稍)という条件。
阪神では、ガリレオ産駒には珍しい逃げ切り勝ち。断然人気に応えた。近親にカーリアン、スキャンなどがいる良血のサトノフラクタルは、前日の準オープンを制したハンデと同じサドラーズウェルズの血筋だが、こちらの方が自在性があるかも。この馬場で2分3秒台は上々。
中山の方は、5番人気のダンスインザダーク牝駒コウヨウマリアが、巧みなレース運びで快勝。
兄弟はコツコツと賞金を稼いでいくタイプなので、中山戦では、特にいい付き合いをさせてもらいたい。

 

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