予想、回顧、コラム

血統を語る、競馬予想ブログ「ぶらっと競馬場まで」

宝塚記念展望

読了までの目安時間:約 2分

 

また決戦である。

ゴールドシップとウインバリアシオンは、王道路線のキーホース。
昨年の覇者と天皇賞最先着馬だが、暮れのグランプリで着順の良かった2頭でもある。
今春もしっかり勝ち星を挙げたわけだし、最低でも押さえは必要。あとは、騎手とのリズムだ。

ジェンティルドンナは今年も参戦するだろう。人気にもなる。が、エピファネイア・キズナという4歳の遠征組が出てこないのは残念。格の差を感じる。
4歳勢は、メイショウマンボとサトノノブレスが代わって、穴候補の俎上に上るわけだが…。適性だけでは買えないのがGⅠ。ホッコーブレーヴ、デスペラードといった特殊追い込み枠の2頭も同様だ。

逆サイレンススズカのジャスタウェイが、雨馬場であろう東京の芝をどうこなすかが、今週末最大の関心事。負ける構図がマイルでくらいしか見当たらない馬だから、中2週での参戦も考慮すべきだろう。
ここまでの実績を考えると、アイリッシュチャンピオンSに参戦する公算は大きい。現役世界最強馬の称号を引退まで防衛できるかは、この夏の結果が大きく影響する。
一応、安田記念登録の馬では、ショウナンマイティとこれも一応ということで、トーセンラーもマーク対象か。
グランデッツァは、そこを回避しての宝塚参戦なら、ナカヤマフェスタの再現もあり得る。

鳴尾記念組は、地味に来る印象もあるし、切りたくはない。
カレンミロティックとエアソミュールが注目ではあるが、トウカイパラダイスは馬場にフィットしてきそうで、両レースとも狙い目となりそう。

天を味方につけて勝負する競馬とも違う、日本独特のグランプリ競走。
体調面が何より重要だ。

 

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春のクラシック回顧

読了までの目安時間:約 2分

 

クラシックだけはまともであってほしいと思っていても、結局ドラマチックになっていくものだから、個性派が台頭することになる。少なくとも、牝馬路線はそのパターンに。

史上最高レベルの牝馬戦線。中心が2歳女王ではないことはままあるが、途中から候補が登場したわけでもないから、マークすべき馬は判然としていた。
レッドリヴェールは、その点では特に、特異な才能を持った馬との戦いに特別なものを見出そうとして、春の最終戦にダービーを選んだ経緯がある。
賢明であった。それが証明されなかったことは残念ではあるが。

ライバルにそう思わせたハープスターにまつわるドラマのクライマックスは、ロンシャンでの晴れがましい姿を歴史的事件として世界中に配信する形が望ましいとされてきたが、今度は日本のファンにとっても嬉しい裏切りを期待できる状況へと変化した。
だからこそ、チューリップ賞では完敗を喫したヌーヴォレコルトは、宿命のオークス戴冠であったのだと、ちょっと信じてみたい。みんなよく頑張った。

快速型も強烈な追い込み馬もいない常識的範疇の中での決戦。
でも、軸がはっきりしていたのは牡馬路線の方だ。
「イスラボニータを巡る争い」
1勝2着1回。一番強い馬であることは証明された。

面白くないと言えばそうだろう。だから、馬券の妙味に目をつぶれば、ゴールシーンの想像はしやすかった。
唯一、ワンアンドオンリーとそれを巡る関係者のダービー熱が、少しだけ神の心を動かしただけのこと。若手騎手の益々の精進を後押しする結果であったことからも、競馬界の未来は明るい。
これもクラシックならではの教示だろう。

 

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新種牡馬考察

読了までの目安時間:約 2分

 

今年の新種牡馬は、斜め読みを助長するアウトローが揃ったという印象がある。個性派の出現は、みんなが望んでいる。

キンシャサノキセキ<父フジキセキ・ヘイロー系>
南半球産のハンデをものともせず、NHKマイルCでも3着した。だが、高松宮記念連覇の名馬にまでなるとは思わなかった。坂も回りも騎手も全て違う条件での連覇。その価値は大きい。
気難しさがあって、距離への耐性を求めなかったのもよかったか。
プレザントコロニーとリファールの血が、どう機能するかが鍵。父はその影響が大きかったから、1600もまともに走れなかった。
母ホットプレイのタマモホットポット(牝)は期待できる。

ハービンジャー<父ダンシリ・ダンチヒ系>
キングジョージ覇者来日。昔よりは、血統の質が軽くなったこともあり、異国の馬でも本質的な差は小さくなった。
が、ノーザンダンサー系3本を主成分とする、いかにも欧州血統といった配合は、その血を好むサンデー系とは相性もいいだろうし、配合しやすい側面は認めるが、如何せん血が偏りすぎている。
ノーザンダンサーの血は、日本の強い馬にも必ず入っている。ひとまず、エピファネイアの半弟・クローディオの動向を注視したい。

ヴァーミリアンカネヒキリも産駒がデビューする。真価はダートでこそだろうし、クラシック向きは滅多に出さないとは思うが、妙に惹かれるところもある。鈍重に見せない中型馬が出るかどうかだ。
他にもワンダースピード・ワイルドワンダーらもいて、ダート戦線は楽しみ。
ブレイクランアウトは芝専門だったが、こちらもダート向きの印象。芝の重賞級が出れば、父の名も上がる。

 

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東京優駿 -回顧-

読了までの目安時間:約 3分

 

関東の名手が誘った名勝負。
ハーツクライとフジキセキか。
馬から飛び降りた検量室。やはり、そこは横山典弘である。雨のダービー初制覇の時とは違う。
ダービージョッキー。ライバルであり、盟友でもある正義君が感じるその絶望的な格差。勝負は平等にはできない。
同期のユタカが見事にリードしてくれて、何とも心強いと思っていたのに。前の2頭が、突如脱落…。

きっと、ノリちゃんだって、彼らが粘っていたらもっと困ってはずだ。
ああ…。悲しいけど、来年がある。気持ちはいつでも一年生。騎手はダービーの前では、ただの小僧である。
しかし、それを勝つだけで永遠を手に入れられる。こんな魔法が、他の世界にもあるとは思えない。
蛯名正義は、横山に尊敬の念を持ちつつ、それでもずっと変わらない関係性を保てるのは、その意味を深く理解しているからに違いない。

男になった、橋口弘次郎。いくら名伯楽と言われても、ダービートレーナーでなければ、虚しくもある。
言うなれば、父ハーツクライを管理し、その奥手の才能を引き出すためにルメールとこの横山を乗せ、今度は息子の大勝負に向けた采配として、同じ策を講じた妙と縁が勝因だろうか。これで、もう後ろ指をさされることもない。
そして、国分優作もダービーを明確に意識することになるのだ。
うまくなりたい。早く。

オーナーの側も、喜ばしいのは事実だが、ここは橋口先生への感謝や祝福で十分だろう。騎手とオーナーが持つ縁と運。ダービーは凄い。

イスラボニータはついてなかったが、同時に正攻法の限界を示してしまった。展開上の不利はあったが、坂で交わされていたら、差し返してももう絶対届かない。
大分バカにしていた毎日杯の勝ち馬・マイネルフロストが3着。馬券はいいとしても、岡田さん…。勝っているかどうかの差もあったか。

ユタカの勝負を賭けた好位付けに応えきれなかった高馬・トーセンスターダムのラチ激突に、厳しい戦いの一端が見て取れた。
知っているからこその積極策が、馬の120%の力を引き出すリスクを、天下の武豊が認識していないはずがない。だからこそ、持っていない馬の敗走に、妙に感傷的になってしまった。残念だ。
金で買えないダービーオーナー、である。

「普通をあきらめざるを得ない枠だった」
「普通に乗れれば、今度こそ勝てるかもしれない枠だった」
ダービー複数回制覇騎手が刻んだ81thダービー戦記。
改めて、身が引き締まる。

 

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