予想、回顧、コラム

血統を語る、競馬予想ブログ「ぶらっと競馬場まで」

凱旋門賞前哨戦

読了までの目安時間:約 2分

 

最終追い切りで、併せ馬の予定が併せることなく無人の野を進む姿ばかりを放映すると、オルフェーヴルは世界で一番強いような錯覚に陥る。
陣営の願い以上にファンが勝利を祈ることなどあり得ない。
直接的な感情移入ではないわけだから、それはあくまでヒーロー像に憧れの気持ちを持つ夢見る少女程度の思い入れなのだ。戦前の演出は程々に願う。
 
ひと雨あれば強い時の三冠馬らしい姿が見られるような気がしていたのだが…。
ライバルは凱旋門賞の時と同じキャメロット。
だから、相手にはならなかった。
何せまた重馬場だったわけだから…。これでは練習にならない!
 
ステイゴールドの魔術。
ロンシャン×ステイゴールドのマッチアップで、道悪は7回中5度もある。その時は全て連対している。
 
一方、ニエル賞は辛勝も先行きに希望という文字のみが頭をよぎる、一安心のゴールシーン。
正直、エプソムダービーは低調でルーラーオブザワールドに負けてもらっては困るし、裏路線から神戸新聞杯と菊花賞の間くらいの格にあるパリ大賞典を勝ったフリントシャーは、いくらダービーが2100の国だからと言って少々過大評価だったか。
日本ダービー馬をナメたらいかんぞ!というような、ユタカのプライドもルーラーの末を封じた一因だろう。
申し訳ないが、負けてはいけないレースを制したまで。
だから、もう少しパワーアップしたいところか。
 
ただ、日本馬初のニエル賞制覇が、本格的な重馬場初体験でのものだったから、斤量差も含め、これで王手だろう。
それにしても、不思議な馬である。
広い馬場では、未だに負け知らず。
初めての条件でもいつも勝ってしまうのだ。
 

 

レース回顧2013   コメント:0

新馬回顧 9/14・15

読了までの目安時間:約 2分

 

土曜は良馬場。
 
阪神の牝馬戦は、マユキが瞬発力勝負を制した。良血揃いも今ひとつ信頼感のないメンバー構成だったが、タイキシャトル産駒らしくとてもセンスのいい競馬であった。へヴンリーロマンスやカレンチャンが遠縁にいる底力を秘める欧州型で、渋とく活躍するか。
 
中山は2鞍。
1600戦で完全に能力上位だったニシノミチシルベは、西に同じくタイキシャトルの産駒。母はセイウンスカイ×ニシノフラワーという西山牧場のプライドが凝縮されたような配合で、底力を感じる。
 
ダートの方は一本かぶりのキープアッドベイがクビの差凌ぎきって押し切った。
きっと、急坂は合わない。
 
日曜は雨の影響が大きく出た。
馬場悪化寸前に行われた稍重の阪神ダート戦は、差しの決着に。1、2着馬はどう考えてもスプリンターではないだろうが、馬場状態に比例した時計の割に前が粘れなかったことも大きかったか。
 
その後の1800(稍)。
60秒そこそこの1000M通過で、タフな直線の攻防に。先に仕掛けたホワイトマズル産駒のシャドウダンサーと殿人気のハイプレッシャー(父ハーツクライ)の追撃で手に汗握る実に熱いゴールシーンは、シャドウダンサーのハナ差粘り込み。
母ダンスインザムードという超良血馬だが、パワーアップが必要。長い目で見ていきたい。
 
中山1800(不)
12倍のオッズに収まっているのはマイネル軍団だったからだろうが、ダート寄りの配合だったコスモイノセントが坂上では楽勝の態勢。雨の影響は大きかった。
まあ、父マイネルラヴも最初はクラシックを目指していたからなあ…。
東京で人気になったらお勧めしにくい。
 
火曜は来週分で。
 

 

レース回顧2013   コメント:0

社台の目指すべき道

読了までの目安時間:約 2分

 

SS系牝馬は競争原理の最前線において、選別を続ければ優秀な血は簡単に残していけるだろう。
直系種牡馬はより厳しいその生存競争に晒されていくわけだから、こちらも爆発的な増加は考えにくい。
 
主流系統は、自然に身を委ねれば答えは出る。
 
ただ、配合相手となる他系統の未来は明るくはない。
もはや、直系存続は叶わないマックやテイオーのような21世紀でも通用する土着の系統を作るには工夫がいる。
淘汰の基準を貴重さによって、篩の目を調整することが望ましい。
 
天皇賞へのこだわりと執念が生んだ芦毛の顕彰馬と、オークス馬の姉ではなく妹のトウカイナチュラルから生まれた四冠馬。
 
理屈を言えば理想論になるのが馬産の常識。
傍流の含まれる繁殖馬を輸入し、次の代にでも使える南半球や独の血の入った馬との交配を続けていけば答えは出るはずだ。
 
今のまま最善策の現状維持を基本理念に競馬事業を続けていては、サンデーの血が残せなくなる。
徐々に、リスキーな方策へシフトチェンジすべき時がやってきた。非常識への挑戦。
 
牝駒の育成、競走、生産の管理手法は巨大組織として十分末端にまで声が行き届いており、一貫性がある。
無理をさせてはいけないことを十二分に心得ている。
 
下地はできている。後は、日本に合う血統を作るだけ。
そのためには、競馬サークル内との連携も密に図る必要がある。
 
勝利至上主義に走りやすい商売であるから、今ある驕りの部分をいかに排除していくか。
課題は単純でも、目標達成は実に困難である。
勝たなくても、未来を切り開くために必要な血であれば、それを残す努力をする。
 
競馬界を牽引する者の責務である。
 

 

社台   コメント:0

スプリンターズS展望

読了までの目安時間:約 2分

 

ロードカナロアの連勝がストップし、ハクサンムーンの成長を同時に目の当たりにすることとなったセントウルS。
 
高松宮記念は、レコード決着も誰でも走れるような時計だったわけで、豪脚一閃で格の差を見せつけたロードカナロアではあるが、このレースは1着から3着まで0.2差。
そもそもスプリント戦で着差がつくことは稀。ロードカナロアも大勝するタイプの馬ではない。
故に、勢力図は決して崩れていないのだ。
 
さて、外国馬の情報が登録一週前に聞こえてこないということは、少なくとも大物の参戦は望み薄。
 
その他国内組では、エクセラントカーヴなどは期待が持てそうだが、堀調教師が冒険することもなさそう。
 
そこで連下候補を探していくと、北九州記念で惨敗した、
タガノバスティーユ        06
アストンマーチャン-サンアディユ 07
等の好走例が目についた。
08年にスリープレスナイトが怒涛の5連勝で全てかっさらっていったこともあったが、これは例外。あくまでも穴狙いで。
スギノエンデバーやローガンサファイアはスキルアップが必要なのは承知でも、ドリームバレンチノの現状を見ると可能性はなくはない。
 
ただ近年上位入線馬は出ていない。一方で、キーンランドカップ組からは主力級が毎年のように出現。
ビービーガルダン、カレンチャンなどが連に絡み、ドリームバレンチノが本番で巻き返した。
 
今年は、ストレイトガールくらいしか本番まで通用しそうな素材は見当たらないが、近年の傾向から人気に推されていた馬には注意を払いたい。
セントウルS組が壊滅だったのは、秋移行後04、05年のみ。
今年は、穴馬を絞り込んで勝負したい。
 

 

レース展望2013   コメント:0

サマーシリーズ総括

読了までの目安時間:約 2分

 

■2000
日本競馬の中核をなす路線なので、新潟記念の悲哀は何とも言えないものがあったが、GⅠも展望する上がり馬が登場すればこういうこともある。
それにしても重馬場の札幌記念を快勝したトウケイヘイローの成長力は、近年の古馬戦線では出色。
次点のマイネルラクリマにポイントで差がついたが、充実度に大差はなく、ともに晩秋へ向け順調に調整される事を願いたい。
 
優勝 トウケイヘイロー 22pt
2位 マイネルラクリマ 14pt
 
■マイル
フラガラッハが皆勤賞でタイトル奪取。今年こそはという、陣営の気合が感じられた。
ローカルでは左回りの2場以外でとれない距離なので数を増やせない。
他路線からの転戦馬にこことのポイント合算を認めるのも、打開策ではあるが。
チャンピオンには来年も参戦願いたい。
 
優勝 フラガラッハ 12pt
 
■スプリント
全6戦で、ハイスコアの接戦が展開されたサマーシリーズの華だったが、最終戦でロードカナロアを負かしたハクサンムーンは、ちょっと力が違った。
新潟では、最後までポイントを競ったフォーエバーマークとの対決を制し、路線の主にまで成り上がってみせた。
まだ、先は長い。
 
優勝 ハクサンムーン    27pt
   フォーエバーマーク 19pt
 
■ジョッキー
13週に及ぶ真夏の一大スペクタクルは、少し影の薄かった岩田騎手が、武・内田両騎手の派手な勝ちっぷりを嘲笑うかのような堅実な得点加算で、チャンピオンに。
GⅢ1勝のみ。が、高額賞金のレースで2着2回は、ある意味では1着を必死に狙っていくより合理的。
この計算高い戦略?で、秋の激戦を盛り上げるのか。
 
優勝 岩田康誠 54pt
2位 内田博幸 49pt
   武 豊
 

 

競馬&予想コラム   コメント:0