ダンツブロード、サトノアラジン、グランドラサッシュ

血統を語る、競馬予想ブログ「ぶらっと競馬場まで」

新馬回顧 8/10・11

読了までの目安時間:約 2分

 

土曜日
小倉
ミスプロ系×サンデーの孫という配合の馬が人気になり、2番人気のマイネルラヴ産駒のダンツブロードが快勝。減量も利いたか。

新潟
期待のサトノアラジンが快勝。レース上がりも34秒台後半で負担の小さい競馬だったので将来も明るい。
外を回って直線半ばで楽勝の態勢。上々の初戦であった。
同配合のキズナよりは正攻法で、距離適性を考慮すると皐月賞でというタイプ。暫定世代1位に指名しておく。

函館
渋馬場の高速リンクで、ハーツクライがアグネスデジタルを競り負かすという構図。
勝ったグランドラサッシュは芝でも見てみたい。

日曜日
小倉
勝ったスタチューオブリバティ産駒のメイショウカフウは母父バブルガムフェローでダート専門か。距離が延びた時が勝負。

新潟(芝1600)
33.8の上がりは牝馬戦だから仕方ないか。
人気の2頭は、明暗くっきり。クイーンズシアターの姉は洋芝を好んだので、ディープ替わりでもこの上がりは合わなかったか。
勝ったフォーエバーモアは、そんなもたつく人気馬を直線に入ってすぐに捉えて快勝
実力でも一歩も二歩も1番人気をリードしている印象で、これは東の基準馬に育っていきそうである。

(芝1400)
シンボリクリスエス産駒とは思えないキレでゴール前急襲したルミナスパレードは、一枚上の能力だった。
鞍上の苦労が伝わる騎乗で、桜花賞後は短いところで。

函館
将来性も考え、差す競馬に拘った人気馬。プライマリーコードをキミノナハセンターがマークしてという競馬だったが、向こう流しと同じ差のままでゴール。
勝ち馬はライラプスと同血で、距離は合っているだろうし人気薄の方が妙味ありか。

 

レース回顧2013   コメント:0

社台血統の憂鬱

読了までの目安時間:約 2分

 

サンデーサイレンス系の発展の裏で、地味ながらいい仕事をする種牡馬を最近見つからない。

一方、牧場の基礎牝系は世界レベル。
こちらは、輸入繁殖に頼る必要もない。
スカーレットインク、ファンシミン、フォルカー、クイックランチ、ベリアーニ…。
21世紀にGⅠ馬を生みだしたそれぞれの牝系は、サンデーサイレンスの陰に隠れて目立ってはいなかったが、その直仔が表舞台から去ると、GⅠでもその底力を大いに誇示してきた。
時代の変わり目に現れたウオッカも、牝系の優秀さに能力の根拠がある。

社台が盤石なのは、サンデー系種牡馬とこの優秀な牝系を自由自在に取り合わせられるからだ。
その上、サンデー系以外からそれぞれGⅠ馬が出ている。まあ、サンデーの血が入っていないのはフォルカー系のカレンチャンくらいなものだが。

問題は、牝系に代重ねされた種牡馬。中身を覗いてみると、ガーサント、モデルフール、エルセンタウロ、ディクタス…。
ノーザンテースト、トニービンなど大駒を数多く生み出した大種牡馬もいるが、結局牝系に入ることで良さが出る者ばかり。
それが折り重なれば、ボトムラインは無限の拡張を見せる反面、直系は牝駒の活躍に隠れて伸び悩み、いずれ滅びゆく運命を辿る…。

日本の競馬は、多頭数で高速馬場だから競争が厳しすぎて、繁殖能力に多少なりとも悪影響が及んでいる。
直系に弱さがあり、戦績がどうしても不安定になりやい血の導入も消極的になり、安定を求めすぎたせいで負のスパイラルに陥った。

血の一極化を打破することの責任とサンデー一辺倒のジレンマ。

必要とされるものは、主流から傍流へと変化している。

 

社台 競馬&予想コラム   コメント:0

速くない強さを

読了までの目安時間:約 2分

 

夏も高速レースの連続。
七夕賞は1:58.9で決着。夏の名物重賞も新時代へと突入した。
小倉記念に至っては、GⅠ前哨戦の要素も兼備する注目レースへと変貌。
この二つの重賞は、今年レースレコードで決まっている。

函館記念も歴代3位タイの好時計に。洋芝で時に良馬場なのに2分5秒台の決着もあった21世紀のレース観が、80年代の日本一速かった時代へ一気にタイプスリップしてしまった。

無論、GⅠのほとんどのレースは歴代10位以内の時計で決着している。

時計の速さの根源が馬場の作りにあるならば、管理技術の向上をもっと賞賛すべきであろうが、10年程続いたその栄光も過渡期を迎え、違いへの欲求をもたらす主因となってきた。
中央場所と比べれば、流石にローカルの馬場の質は幾分か軟弱。
それでも時計が出るのだから、速い馬場でなくても速く走れる馬が増えたと言える。

ただ、そんな特殊な馬場状態にもかかわらず、適性を見定めずに使い続けることへの疑問がないわけではない。
繁殖能力への影響を不安視する一方、馬主が大損するような遠征計画は無謀すぎて強行しても破綻は確実。結局、外へ出るという選択肢はない。

一方で、ドイツ血統が大レースを制することも増えている。
JCだと流れが速すぎて見せ場を作れていないが、欧州2400路線では見逃せない存在に。
その上、この血筋が走る時は決まって高速決着。

世界的な高速化偏重の流れは、重い馬の時代を予兆しているのだろうと思うのだが。
重い馬をもっと作ろう!

日本に、クロスを生む祖先はほとんどいない。
明るい未来のために、一見遅そうに映る馬も必要ではないだろうか。

 

競馬&予想コラム   コメント:0

新馬回顧 8/3・4

読了までの目安時間:約 2分

 

土曜
・小倉1200<牝>
ベルカントは覚えておきたい。
単勝支持の期待値がそのまま結果にも反映された。時計も含め、見た目通りの実力とみたい。
・新潟1800
人気のガリバルディを負かしたクラリティシチーは、タイキダイヤの孫。ダービーコネクションの配合の印象通りに、奥行きは十分。勝負ありとも見たが。
・ ダ1200
渋残りのレースは、定石通りの外枠決着。波乱含みも人気馬は見せ場を作れず。全馬次戦を見てみないと…。
・函館ダ1700
ロングプライドの弟が勝ったが、こちらはゴールドアリュール産駒。勝負に行って強いタイプ。じっくり育てたい。
・芝1200
タイキシャトル産駒らしい卒のない競馬で人気に応えたタカミツスズランは、母父マイネルラヴ。因縁深い配合でスピード型の牝系だが、案外奥手かも。

日曜
・新潟1600
今の馬場で33.9の上がりは速すぎて、差しは届かない。レッドメイヴはズブの象徴の危険性もあるが、先着した2頭も他コースの方が合いそう。
・小倉1800
勝ったハンターバローズはキズナの一族で、菊花賞レコードウインブラザーズを産んだパシフィカスの曾孫。
SS×TBにシンクリ。完成形の血に力のある血を入れると途端に鈍重さが目立つことも。決め手に充実度が現れるタイプだろう。
・1200
雨馬場もこの時計では評価が難しく夏の平坦でボールドルーラー系ということだろうか。シゲルカガは2歳Sを走って次がある馬だ。
・函館1800
牝馬同士のワンツー。人気に応えた藤沢厩舎のバウンスシャッセは、決して軽くはない牝系の血統構成の影響か、いかにも重賞級の厳しい展開が合いそう。成長が楽しみな一頭だ。

 

レース回顧2013   コメント:0

脇役の血統

読了までの目安時間:約 2分

 

ヘイロー-サンデーサイレンス系

ヘイルトゥリーズン系で括れば、ロベルトがいるからメジャーではないにせよ、世界中どこででもこの系統は走っている。
ただ、各国のリーディングサイヤーはほとんどがヘイルトゥリーズン系ではないから、それに伴ってチャンピオン級も育ちにくい。
無論、日本を除いて。

軽い馬場のスローペースにジャストフィットする系統は少ない。
いくら瞬発力勝負になりやすくても、直線で11秒台のラップを連発しなければ勝負にならない競馬など日本以外では見られない。
その中でも、サンデーサイレンスの遺伝子は、異様なまでに高速化した今の日本競馬に恐ろしいほどにジャストフィットしている。

日本での活躍を今更振り返るまでもないが、あまりにも直系が発展しすぎている。

ならば、海外ではどうだろうか。
南半球で、タヤスツヨシやフジキセキの産駒が活躍していたこともあったが、英1000ギニ-馬ナタゴラの誕生で可能性が見出された。
たしか、凱旋門賞レコードでデインドリームが圧勝した日に、2歳GⅠを同じくレコード勝ちしたのがハットトリックの仔だった。

面白いデータがある。
過去2分22秒台の時計が3回記録されているジャパンカップで、レコードと1秒以内での決着となったレースを勝ったサンデーサイレンス系の馬はいない。
底力不足と距離不適が原因。

真のチャンピオン血統ならば、とっくに欧州主要タイトルはいくつか制しているはず。
凱旋門賞を勝つために、スタミナを調教によって増強しようなどと日本式に固執していてはならない。
そんな手は、ロンシャンでは通用しない。

本質で勝負する時。それが今年である。

 

血統   コメント:0