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血統を語る、競馬予想ブログ「ぶらっと競馬場まで」

脇役の血統 ハンプトン系

読了までの目安時間:約 2分

 

ハンプトン系
 
凱旋門賞を毎年のように盛り上げているステイゴールド産駒。そして今年はもう一頭のキズナが父の汚名を雪ぐべく、お互いリベンジマッチを旗印に、ダービーウイナーツープラトン作戦での悲願成就を目論んだのだが…。
 
やっぱり、ペースメーカーくらいは出さないと…。
でも、夢が遥か遠くにあるわけでもない。
ディープ親仔は、3位入線と4着。
ステイゴールドは砂漠までせっせと遠征したが、アジアの外まで出ることはなかった。
が、産駒は凱旋門賞で4戦2着3回。
出走馬は2頭。微妙だけど、やっぱり凄い。
 
そのステイゴールドを語る上で、ポイントとなる種牡馬がいる。
母父ディクタスだ。代表産駒は、叔父サッカーボーイ。
ノーザンテーストとの組み合わせで、この一族は毎年のように重賞級の産駒を送り込んでいる。
 
ディクタスはスタミナを補強する意味合いより、闘争心を引き出す影響の方が強い。
ハイぺリオン系の日本の代表馬セイウンスカイを筆頭に、ハンプトン系の継承者はアイネスフウジン、フレッシュボイス、古くはハイセイコーなど中距離戦で激しさを内に秘める性質を大舞台向きの底力によって、スピードやキレ味に転換し劇的シーンで主役を張ってきた。
 
時代ごとに名馬が現れるハンプトン系。
サッカーボーイは、その中で最も優秀な種牡馬となった。
 
サンデーサイレンスらしかぬ、異常なまでの重馬場適性は、サッカーボーイにも備わっていない性質。
ステイゴールドもまた、異質な才能の持ち主だ。
 
フランス発、主流偏重の疑義。
脇役に主役の華やかさや底力などは必要ないが、それ以外のところで勝たないと血を残すことすらままならない。
 

 

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脇役の血統 マイバブー - メジロマックイーン - トウカイテイオー

読了までの目安時間:約 2分

 

マイバブー - メジロマックイーン - トウカイテイオー
 
日本の至宝。
パーソロン-サクラショウリ-サクラスターオーのラインこそ悲劇に見舞われ、血を今に伝えることできなかったが、2つのドラマチックな系統が21世紀になっても競馬を盛り上げてくれた。
 
22年前の4月、春秋、東西の相違はあったが親仔3代の天皇賞制覇を達成。<メジロマックイーン>
この12月で20年の節目を迎える、奇跡の復活劇。<トウカイテイオー>
 
何も、長距離が得意なわけではない。
中距離重賞で長めの方のレースは合うが、力があるから距離をこなせたというべきであろう。
 
マックイーンは瞬発力勝負が苦手だったから2000近辺では強烈な印象は残せなかったが、同時期に活躍したテイオーはGⅠ勝ちの全てが好時計のものだった。
 
マイバブー系の種牡馬パーソロンは、中距離戦における決め手勝負を得意とし、牝馬にも活躍馬が多かった。
そんなキレの血統から初期にメジロアサマが誕生し、晩年にシンボリルドルフが登場することで日本のホースマンが本格的に「海外」というものを意識するようになる。
 
でも、それはもう昔の話。最後の矢、トウカイテイオーも先日天に召された。
 
トウルビヨン系のみならず、異系と呼ばれるアウトサイダー血統は、競走成績と繁殖能力が比例するとは限らない。
 
目黒記念を逃げ切った者は入障後アクシデントに見舞われ…、
男馬で唯一の芝のタイトルホース、数少ないダービー出走馬はともに去勢されてしまっていた。
 
後の祭りなどと言っては、少し言葉が過ぎるか…。
 
我々は、こんな素晴らしい血統を後世に伝えられなかったことを、すでに後悔している。
 

 

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脇役の血統 ナスルーラ系<芝血統>

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ナスルーラ系<芝血統>
底力勝負向きなのが、ネヴァーベンド系やゼダーン-カラムーンの系統。
この二つは、リーディングサイヤーを出している。

ミルジョージとトニービン。
高速馬場に合っているというよりは、スピード能力を活かせる条件が得意である。
20年近く前が旬であったこの系統の記録は古いものばかりだが、ミルジョージは、イナリワンやエイシンサニー、ゼダーンの大元であるグレイソヴリンの分流のカロ系からは、エイシンバーリン、ビワハヤヒデがそれぞれ歴史的レコードを繰り出した。
トニービンの系統もジャングルポケット-トーセンジョーダンの血筋が、府中で最大の能力を発揮する性質を体現した。

弱点があるとすれば、その血の効果を同じ血によってでしか保持できないこと。セントサイモンもそうだった。

特に、スピードタイプの代表格サクラユタカオー-エアジハード-ショウワモダンの血統構成は異様。
祖父の代からそれぞれの母父が、ネヴァービート<ネヴァーセイダイ>・ロイヤルスキー<ボールドルーラー>・トニービン<ゼダーン>という言わば同系配合の坩堝。
ショウワモダンの牝系にはネヴァーベンドも入っており、クロスの計算が面倒臭くなるほど大量にナスルーラの血が入り込んでいる。

これでは直系は長く続かない。
同時に、テスコボーイに始まる日本競馬におけるスピード革命の歴史が、まだまだ連綿と繋がっているというのも事実。
優秀な血を導入したことを肝に銘じて、よりよいものを生みだす糧にしなければ、存在意義そのものがなくなってしまう。

日本競馬の浮沈を占う意味でも、未だに重要なポジションにある系統なのだ。

 

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脇役の血統

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ヘイロー-サンデーサイレンス系

ヘイルトゥリーズン系で括れば、ロベルトがいるからメジャーではないにせよ、世界中どこででもこの系統は走っている。
ただ、各国のリーディングサイヤーはほとんどがヘイルトゥリーズン系ではないから、それに伴ってチャンピオン級も育ちにくい。
無論、日本を除いて。

軽い馬場のスローペースにジャストフィットする系統は少ない。
いくら瞬発力勝負になりやすくても、直線で11秒台のラップを連発しなければ勝負にならない競馬など日本以外では見られない。
その中でも、サンデーサイレンスの遺伝子は、異様なまでに高速化した今の日本競馬に恐ろしいほどにジャストフィットしている。

日本での活躍を今更振り返るまでもないが、あまりにも直系が発展しすぎている。

ならば、海外ではどうだろうか。
南半球で、タヤスツヨシやフジキセキの産駒が活躍していたこともあったが、英1000ギニ-馬ナタゴラの誕生で可能性が見出された。
たしか、凱旋門賞レコードでデインドリームが圧勝した日に、2歳GⅠを同じくレコード勝ちしたのがハットトリックの仔だった。

面白いデータがある。
過去2分22秒台の時計が3回記録されているジャパンカップで、レコードと1秒以内での決着となったレースを勝ったサンデーサイレンス系の馬はいない。
底力不足と距離不適が原因。

真のチャンピオン血統ならば、とっくに欧州主要タイトルはいくつか制しているはず。
凱旋門賞を勝つために、スタミナを調教によって増強しようなどと日本式に固執していてはならない。
そんな手は、ロンシャンでは通用しない。

本質で勝負する時。それが今年である。

 

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2歳馬選別①

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今年の函館2歳Sはレベルも高そうで、勝ったクリスマスについて気になったところから記すとする。
この馬は少々血統が変わっている。
実は、ノーザンダンサーとヘイローの祖母にあたるアルマームードの血を引く馬が、彼らも含め父のバゴと牝系の4代父のキャノネードの5頭おり、その上バゴの母は、ノーザンダンサーもヘイローも入っているからアルマームードの<4×(5×5)>というクロスが掛かっているのだ。
更に、クリスマスの牝系にアルマームード系の馬が4頭入っており、重複する馬も多くかなり複雑なクロスを持つ。
最近ではナカヤマフェスタ、かつてはエルコンドルパサーなど、それこそ凱旋門賞に縁のある馬も似た特徴を備えていて、それも心強い。

ましてや、バゴ×ステイゴールド。
スピード不足の懸念さえある配合面の弱点を見事に補完したインブリードで、ますます気になる存在である。

その他では、
ウインマーレライ<父マツリダゴッホ>
東京→(中3週)福島<2-1> ともに芝1800

ジャックトマメノキ<父ダイワメジャー>
7・7中京芝1400新馬勝ち

ハープスター<父ディープインパクト>(牝)
7.14中京芝1400新馬勝ち

サトノフェラーリ<父ディープインパクト>
7.20函館芝1800新馬勝ち

オトコギマサムネ<父ジャングルポケット>
7・21中京芝1400新馬勝ち

などが注目。

もう一頭の2勝馬グランシェリーは、少しスピード寄りの配合でクラシック向きとは言えず微妙。
それなら、函館2歳Sで2着のプラチナティアラが、ミスプロの同系配合でも祖母ナナヨーストームで、案外渋く活躍するかもしれない。

 

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