予想、回顧、コラム

血統を語る、競馬予想ブログ「ぶらっと競馬場まで」

何でだろう? -自由・放言の奨め-

読了までの目安時間:約 2分

 

ペルーサの闘争心は、あの春の天皇賞で砕け散ってしまったのだろうか。
出遅れは敗因の一つではあるのだが、無難に出て走ったのは青葉賞くらい。これも個性。
4年間未勝利の理由は、他にありそうだ。

ダービーは超スローで、途中から動かざるを得なくなった。次のレースから騎手が替わった。
季節が変わって、騎手もまた替わった。ノリ&アンカツのブエナビスタコネクション。
職人気質のこの二人は、気難しい馬に対し、アンカツさんは毅然とした態度で臨み、ノリさんはできるだけ意志を汲み取ろうとする違いはあるが、お互い勝つために合理性を追求するタイプ。
前者は秋の天皇賞で、後者は青葉賞で能力を最大発揮させたのだが、その走りに共通するのはスピード能力の非凡さを示した点。

2000Mならいける!最後の連対は白富士S。GⅠ好走したのも秋の天皇賞の2戦だけ。父が覚醒した場所で、もう一度…。
これにより、外々追走も先頭が4度変わる異様な展開で、騎手も馬もやってられないと匙を投げてしまった春の天皇賞の敗因が、出遅れなかったことでも距離適性に問題がなかったわけでもないと、言い切れるわけだ。

「じいさんの頭の良さを見くびらないでもらいたい」
出遅れという形で抵抗を示しているのか。
縛りを開放する責務。師に罪があるとするならば、それは名手の腕に悪癖修正を託してしまったことか。
ペルーサはまだ全力で走っていない。時計不足の克服と併せ、ゲート対策の成果に拘りすぎなければ、脚元の不安再発の前に好結果が出るかもしれない。
北村騎手替わりもいい。彼は、馬にストレスをかけない乗り方ができる。

 

競馬&予想コラム   コメント:0

セレクトセール

読了までの目安時間:約 2分

 

高額落札馬に二言三言。

当歳
アゼリ14(牡)
落札額 2億5千万円<近藤利一氏>
現1歳の全兄はほぼ同額で取引。米GⅠを11勝した母の血統は、父のジェイドハンターを除けば、芝向きの種牡馬ばかり。その影響は大きい。

アドマイヤキラメキ14(牡)
落札額 2億2千万円<島川隆哉氏>
トーセンスターダムが2.6億、デビュー前のネオスターダムが1億で落札。生産者側も安全祈願したい。クラフティワイフ系の成長力がミソ。

2頭ともディープ産駒。続く1.8億円で落札されたミュージカルウェイ14(牡)も同じ。カタール・アルターニ殿下の代理人が競り落としたが、前日の1歳馬セールで、当開催最高額の馬を落札した経緯もあり、人馬とも要注目。
バンドワゴンの半弟でハーツクライ産駒のピラミマ14(牡)<1.5億円・落札者(株)MMB>は、非ディープと父替わりに期待。

1歳
2.6億円のリッスン13(牡)は、前述のアルターニ殿下。2億円で落札のマジックストーム13(牡)は里見治氏が、期待のディープ産駒を掌中に。
リッスンは愛国産で、イギリスの2歳GⅠを勝った馬。両者好馬体だが、高速馬場では怪しい。
金子真人ホールディングスが落札したラヴズオンリーミー13(牡)は、3代母ミエスクの良血馬。1.8億円のお高い買い物は吉と出るか…。実力伯仲の世代か。

億取引でGⅠを勝った馬は、全市場落札馬でほんの数頭のみだ。
サンデー系が蔓延る国で、その血を持つことが落札額高騰の要因となっているから、フランケルの持ち込み馬・グッドウッドマーチ14(牝)に1億円弱の値がついたことで、変に肩入れしてしまいそうだ。

 

競馬&予想コラム   コメント:0

春風で涼む

読了までの目安時間:約 2分

 

GⅠで1番人気を裏切る馬が現れると、案外皆が傷つくものである。
今春も例年並み程度にその裏切りが起こってしまった。悲しくもあり、勝負の厳しさが如実に表れるのも、1番人気の馬が負けると分かった瞬間を目撃した時だ。それを思い出せば、意外と体の火照りも治まってくる。

計11回行われたGⅠレースでは、7度1番人気が敗退。
ベルシャザール
ストレイトガール
トゥザワールド
キズナ
スマートレイアー
ハープスター
イスラボニータ

うち4着以下に敗れたのが、ディープ×ユタカという唯一無二の絆を受け継いだ良血2頭であった。
前走の阪神で豪快に立ち回って人気に応えたキズナとスマートレイアーが、上がりの速い京都や東京で差し損ね。
前者は初距離に加え、レース中だったかはともかく、激闘の末に脚を傷める結果に。後者は東京での高速の上がりを評価されていたが、新潟と中京では不発だった。
夢見る投票者の思いとは裏腹に、過剰に人気を集めたがため、強固な絆は破綻した。勝ち馬とはわずかな差も、近年の春のタイトル争いで、特に波乱含みの競馬が多かった2レースでのこと。これも必然だったか。

安田記念の翌週から、2週続けて断然人気馬が吹っ飛んだのも記憶に新しい。
マジェスティハーツの場合、前々週のハーツクライ×ノリによるダービー戴冠というビッグシーンが大きく影響した。今週もノッていけ。ただ、4週続けてとはいかないのも乙なところ。おまけにディープの仔に敗れるとは、神様も悪戯好きだ。
その翌週に断然人気に推された2頭の不利と自滅に見たものは、夏の風に呑まれた姿。
6月の雨は、ローカルモード突入のサインでもある。

 

レース回顧2014 競馬&予想コラム   コメント:0

雨ならば

読了までの目安時間:約 2分

 

列島を大型台風が襲う今、雨にまつわる血統の話を一つ。
実は今年、芝・ダートのオープンクラスで重・不良だった9レースの勝ち馬に、顕著な傾向が現れている。

5代以内にナスルーラ系の種牡馬が入っている馬が、該当レース勝者のうち7頭もいるのである。
例外はエルフィンS(重)のシャイニーガールとポラリスS(重)のキョウワダッフィー。
ただ、後者は母にナスルーラの5×5が掛っている上、自身もその直仔であるナシュアの5×5を持っているから、例外とは言えず。
シャイニーガールにしても、母母父ミルジョージという馬は1頭だけいたが、ダートの新馬戦を制した馬だったから凡走も当然。馬場を味方につけた。

ナスルーラ系は多種多様に進化した子孫が色々な傾向を示し、健在であることも認めるが、少数派になってきた日本での立ち位置を考えると、少々興味深くも映る。
この傾向の特徴は、芝向きのナスルーラ系種牡馬であるテスコボーイから一大勢力を築いたプリンスリーギフトの名前がどこにもないこと。代わって、90年代まではよく走っていたボールドルーラーやブラッシンググルームの系統が多く見られる。

テスコボーイやパーソロンなど初期にクラシック等当時の八大競走で総合力を示す産駒が現れた場合、その系統は長く生き延びる。それは、サンデーサイレンスと御三家を形成したブライアンズタイムやトニービンとも共通する。
トニービンinの2頭は、良馬場の重賞を快勝していた。

やはり、これは日本の高速馬場に対するアンチテーゼを示したサインなのか。
傍流血統の現状に加え、その国の性質までも表した天の啓示とまでいうと大袈裟だが。

 

競馬&予想コラム 血統   コメント:0

それはSSだから

読了までの目安時間:約 2分

 

サンデーサイレンスの威光は、直仔の世代が活躍していた頃に比べ、質量ともスケールアップし、その強さは増している。
進化を遂げつつ、一方で自然淘汰の流れも作り出し、完全体の選別は日々加速中だ。

2014年上半期に行われた中央のGⅠを直系の孫が完全制圧。無論、史上初の出来事だ。
有馬記念から12戦連続勝利中。
重賞競走に拡大しても、ヴィクトリアマイル以降全てでSSの直系か孫の世代が勝っていて、母父SSのディアデラマドレなど例外的なほど。
AJCC勝ちのヴェルデグリーンなど10頭以上の例外馬はいるのだが、サンデーorキングマンボinというフィルターをかけると、ベルカントとレッドスパーダしか残らないから凄い。

週の単位では、秋華賞をメイショウマンボが制してから9か月間ずっと、毎週のように直系の孫が重賞勝ち馬となり、サンデーの血が入っている馬は、ダノンシャークが富士Sを勝ってから計26回1番人気に応えている。
国内の重賞という括りでは、年末にホッコータルマエが一矢報いた週もあったが、今年はまだ継続中。
母父SSのホウライアキコがデイリー杯2歳Sをレコード勝ちした週から数えると、中央の重賞を都合開催41週連続制覇中なのだ。

言わずもがな、サンデー系による重賞制覇は、プライムステージが1馬人気に応えた札幌3歳Sが最初。ちょうど今から20年前の7月31日のこと。
その後、21世紀の日本競馬を支えこととなる偉大なる中興の祖は、生産者に活力ある血の融合を世界中から集めさせた。それが春のドバイで結実した形として現れたのである。
終焉などとは無縁の季節を、今迎えている。

 

競馬&予想コラム 血統   コメント:0