重い馬の時代を予兆

血統を語る、競馬予想ブログ「ぶらっと競馬場まで」

速くない強さを

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夏も高速レースの連続。
七夕賞は1:58.9で決着。夏の名物重賞も新時代へと突入した。
小倉記念に至っては、GⅠ前哨戦の要素も兼備する注目レースへと変貌。
この二つの重賞は、今年レースレコードで決まっている。

函館記念も歴代3位タイの好時計に。洋芝で時に良馬場なのに2分5秒台の決着もあった21世紀のレース観が、80年代の日本一速かった時代へ一気にタイプスリップしてしまった。

無論、GⅠのほとんどのレースは歴代10位以内の時計で決着している。

時計の速さの根源が馬場の作りにあるならば、管理技術の向上をもっと賞賛すべきであろうが、10年程続いたその栄光も過渡期を迎え、違いへの欲求をもたらす主因となってきた。
中央場所と比べれば、流石にローカルの馬場の質は幾分か軟弱。
それでも時計が出るのだから、速い馬場でなくても速く走れる馬が増えたと言える。

ただ、そんな特殊な馬場状態にもかかわらず、適性を見定めずに使い続けることへの疑問がないわけではない。
繁殖能力への影響を不安視する一方、馬主が大損するような遠征計画は無謀すぎて強行しても破綻は確実。結局、外へ出るという選択肢はない。

一方で、ドイツ血統が大レースを制することも増えている。
JCだと流れが速すぎて見せ場を作れていないが、欧州2400路線では見逃せない存在に。
その上、この血筋が走る時は決まって高速決着。

世界的な高速化偏重の流れは、重い馬の時代を予兆しているのだろうと思うのだが。
重い馬をもっと作ろう!

日本に、クロスを生む祖先はほとんどいない。
明るい未来のために、一見遅そうに映る馬も必要ではないだろうか。

 

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