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血統を語る、競馬予想ブログ「ぶらっと競馬場まで」

レコードクロニクル 『1:33.1』

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『1:33.1』
 
2006年12月2日 阪神1600<2歳レコード>
 
顕彰馬にも選出された名牝は、すでにシーザスターズの仔を2頭生み落とし、名血シラオキの血を後世に繋ぐ役目を果たしている。
 
このタイムは、一応基準タイムとして今も残る。
新潟2000のレコードもそうだが、こんな時計を他馬が叩き出せるはとても思えない。
 
戦前、アストンマーチャンとの評価の差は歴然だった。
1:20.3でファンタジーSを圧勝し、2歳女王最有力評価の断トツ人気馬と、時計不足も未知の魅力を買われ4番人気に推された単穴候補。
更に、アストンマーチャンの主戦は武豊。
因縁浅からぬ関係の始まり。
四位洋文、激動の2年が始まる瞬間でもあった。
この後安藤勝己も交え、三つ巴の決戦を何度となく目の当たりにすることになる。
 
ルミナスハーバーの作った淀みないペースに、マーチャンはなんとか折り合いをつけながら追走し、ウオッカは内で脚を溜めた。
早め先頭からの押し切りを図るマーチャンを、最後外に持ち出され追われるごとに伸びる末脚で豪快に捉えたところがゴール。
脚勢の差は歴然。適性の違いも感じ取れた。
 
角居調教師にとっても、その地位確立に最も貢献した名馬である。
 
急坂に長い直線という要素が加わり懸念もあったが、今ケチをつける者はいない。
姫たちの才能が、おじさんたちの運命も動かした。
 
同タイムでゴールした2頭は、グレイソヴリンとレイズアネイティヴの快速血統を持つ。
血の組み合わせによって、まるで違う個性を武器に牡馬に挑んでいった。
 
だが、この優秀な血の一方はもう血統表に載ることはない。物悲しいプロットである。
 

 

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