予想、回顧、コラム

血統を語る、競馬予想ブログ「ぶらっと競馬場まで」

何だこいつは!? -放言・自由の奨め-

読了までの目安時間:約 2分

 

ゴールドシップと横山典弘は、ベストコンビであった。また、相も変らぬグランプリマイスターぶりも発揮。
春の反省、秋の準備。夏はいつも勉強の季節。
反省の課題に、絶対に負けられない戦いを制した名馬に流れるDNAを鑑定すれば、気になってくる、気になってくる。
「ステイゴールド」
その功罪。これはこれ、あれはあれというタイプなのは間違いない。

その功績に異論なし。
連覇という偉業が2つ。春の5歳馬には比較的容易いことではあるが、日本の格式高いGⅠでのことだから、歴史的な快挙だ。そのフェノーメノとゴールドシップは何度も対戦しているのだが、轡を並べて仲良くゴールしたことは一度もない。

G:君が変なんだよ
F:そんなこと言われても困る
ステイゴールドの罪とは、このことか。

マックイーンというベストファーザーに傾倒したが、血統的見地では、インブリードの邪魔にならない存在が、成功へと導いたと解釈。
フェノーメノは、限りなくディープインパクト産駒に近い性質を示している。それでも、得意条件にステイゴールド産駒らしさが見え隠れ。

不肖の息子のずる賢さから勘案すると、こう考えたら合理的か。
「サンデーサイレンスに一番よく似ているのは、実はステイゴールドだった」
サンデーよりもずっと、ステイゴールドの方が小さい。ミニサンデー。
第3世代の複製へと受け継がれた尊大さ、なのか。

夏の課題は、『ステイゴールド大解剖』で。
どこかの少年向け雑誌の付録に、夏の自由研究の題材が載り始める頃だが…。
これは大人にも難題。子供達には、あのSTAP細胞についての検証でもしてもらおう。

 

競馬&予想コラム 血統   コメント:0

古馬GⅠ総括

読了までの目安時間:約 2分

 

帝王賞までのダート路線の主役は、コパノリッキー・ホッコータルマエ・ワンダーアキュートの3頭だった。
川崎記念を順当に勝ったタルマエにとって、フェブラリーSでの最大の誤算は、リッキーのポテンシャルが想像以上であったこと。勝てるはずの競馬を落としたことで、ドバイ遠征も士気は上がらず。

代わって台頭したそのリッキーも、返す刀で何故か2番人気に落ち着いたかしわ記念を楽勝するものの、そのせいで断然人気に推された帝王賞では、そのかしわ記念で断然人気だったアキュートに一矢報われてしまい、また路線は混沌としてきた。
キャリアがあまりに違うから、この結果も当然だったか。しかし、この3者は実にあっぱれである。

短距離戦線のキーワードは、特殊な馬場への対応力。
雨に苦しんだ高松宮記念の期待馬・ストレイトガールは、Vマイルでも3着。一方で、馬場を味方につけたコパノリチャードとヴィルシーナは、その勝利の前後で結果を残し、存在感を示した。文句なしのGⅠ馬だ。
苦しみの中に新たな可能性を示したジャスタウェイにとって、あの泥田のような極悪馬場は、アンジュエーションを克服するための試金石だったように思う。
タイキシャトルもそうだった。志は高くいきたい。

ステイゴールドと5歳馬。GⅠ連覇や連勝を可能とする一番の理由は、成長力とクラシックの反動の克服。違う5歳馬で各々大勝負を挑むも…。
世界最高水準のチャンピオン競走だが、あのダービーとオークスの経験者で、かつその次戦で結果を残した者が、今最大級の賛辞を受けている。
ちょうど10年前のクラシック組と似たような傾向だ。まだまだ先はある。

 

レース回顧2014 競馬&予想コラム   コメント:0

宝塚記念 総評

読了までの目安時間:約 2分

 

パドックで一番いい具合に映ったのが、Vマイル連覇を決めたヴィルシーナ。乗り替わりであろうとなんだろうと、調子のいい馬が前に行けば、それなりの競馬を作ってくれる。
カレンミロティックから特別好気配は感じ取れなかったが、今にして思えば、彼にとって苦手な単騎先頭の競馬にならないのなら、ここはスロー見え見えなのだから、チャンスがあるに決まっている。
穴馬だからこそ、こんな些細なことでも着順に影響が出るということだ。

そう考えると、全投票の約99%が希望票のゴールドシップが、それに応える気になったかどうかは不明も、順当に結果を残したことは必然であったのだろう。
何もしないことも、勝利への一番の近道。東の鬼才が、ありのままのゴールドシップを引き出した。神業とも称されるその手腕が、日本競馬界に与える有益な影響をこれからも大いに示してもらいたい。
この馬らしい勝ち方を見出した結果、勝利の女神がほほ笑んだ。
それが偶然でも奇跡でも、また実らぬ結末であっても、本質に迫ったことの意味が台無しになることはない。

一方、ウインバリアシオンは本当に辛い。
前走に伏線あり。目一杯勝負を賭けて、寸前の連続鞍上スイッチで勝ち運も逃した。
ただし、結果はいつもと同じ。キズナの後ろからもし仕掛けたとして、ではそれを交わし、ホッコーブレーヴ以上の脚を使えたかどうかとなると…。
早仕掛けをすれば、結果は目に見えていたわけで、それ以上を求めるのは酷だった。
名馬の陰に隠れて露見してこなかった、勝ちパターンの作り方の難しさが、ゴールドシップの勝ったレースで顕在化するとは、あまりにも皮肉である。

 

レース回顧2014 競馬&予想コラム   コメント:0

比類なき優駿 宝塚記念戦記<1999年・グラスワンダー>

読了までの目安時間:約 2分

 

名馬時代の象徴であった。

アルゼンチン共和国杯は6着。もうダメなのか…。
有馬記念。しかし、セイウンスカイもエアグルーヴも、メジロブライト・ステイゴールドの4歳春天コンビも主役にはなれず。天才は復活した。
前々走、休み明けの毎日王冠で真っ向4角サイレンススズカ潰し。5着に不満も、手応えはあった。

完全復活から半年あまり。
まだ見ぬダービー馬との対決へ。敵は、この年3戦全勝。
負けられない安田記念。が、思わぬ伏兵に足を掬われる。
確か、あいつは前回負かしたはずの…。栗毛に弱いらしい。

名誉挽回の一戦。だが、ライバル・スペシャルウィークはまた疲れていた。
菊でレコードの2着死守後、JCは乗り替わりとそこから中2週のマイナス材料が全て敗因となり、有馬記念もパスした。
本来いるべき鞍上は、とある新馬戦でルール無視の走りをさせてしまって騎乗停止中。ダービー馬・アドマイヤベガのデビュー戦だ。

マッチレースを期待されたのだが…。春もまたよく走ったから、ほぼエンプティ状態。
アクシデントといえば、グラスワンダーが産経大阪杯に出られなかったのは、謎の裂傷に起因する顔からの大出血があったため。原因は未だ解明されず。
ダービー馬はJC同様、少しモタれながら走り、傷も癒えた栗毛の怪物は、ただただ自分の走りに徹して、坂を上りきってからはもう独走態勢となった。

11年後、この時3着のステイゴールドの仔が宝塚記念を勝ち、スペシャルとグラスの産駒がそれぞれ2、3着した。立場は逆転。
しかし、JCはまだ勝っていない。一方で…。三つ巴の競馬史は続く。

 

競馬&予想コラム   コメント:0

大いなる復活 宝塚記念戦記<2012・オルフェーヴル>

読了までの目安時間:約 2分

 

2012年春の2走だけ、我を通した名馬。

前走で勝っていた馬が6頭いて、うち半数はGⅠを好時計勝ち若しくは、圧勝をしていた。
春の天皇賞組を中心に、前走GⅠを使って臨んだ馬も6頭いて、4頭が3着以内。
残る2頭のうち、安田記念8着のスマイルジャックは、距離実績のなさも影響してか、単勝159倍のブービー人気であった。

前走4着以下から巻き返して勝利した馬は、最近ではマヤノトップガンだけ。そういえば、有馬記念を勝って、阪神大賞典で惜敗して、春の天皇賞はよもやの大敗を喫し…、いや、それでも5着だったじゃないか。
トップガンが1番人気になったのは、GⅠ級がダンスパートナーしかいなかったから。はあ…。

データが指し示す、切りのサイン。3倍台の1番人気にみる複雑なファン心理。
そのトップガンを競り落としたナリタブライアンの栄光と挫折そのものを辿っているとすれば、ライスシャワーみたいなことも考えられなくはない。

シンボリルドルフ・ディープインパクトといった、日本競馬の金字塔を打ち立てたレジェンドたちと共通する血が何を暗示しているのか。
サイレンススズカと同じ毛色でも、ドラマチックさや儚ささえも似てしまえば、期間限定最強馬の複製に過ぎない。

しかし、全てが違うからこそ…。
内から走る気を漲らせ4角を回りきった時、8分仕上げのこの馬は紛れもなく、
「三冠馬・オルフェーヴル」
だった。

ここまで54回宝塚記念は行われてきたが、その中で最も非常識な競馬である。
オルフェーヴルは立ち直り、ここから引退レースまで、結局連を外すことはなかった。

 

競馬&予想コラム   コメント:0