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血統を語る、競馬予想ブログ「ぶらっと競馬場まで」

最後の一花 ヤマニンシュクル(前)

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今でこそマックーンのことばかり語られるが、ちょっと前まではテイオー産駒がよく走っていた。
トウカイポイントがマイバブー系に久々のGⅠをもたらし、ストロングブラッドが今はもうない重賞でやたらと勝負強さを見せていたあの頃。
ドラマチックホースの宝庫・01年生組がデビューし始めてすぐ、函館1800の新馬戦で見事な勝ちっぷりを見せたテイオーの娘が、後に活躍するヤマニンシュクルである。

道悪の札幌で牡馬相手に繰り返しスパーリングをした2か月後、彼女は阪神ジュベナイルフィリーズに挑む。
スイ-プトウショウや札幌で先着を許したアズマサンダースなどの実に骨っぽい馬相手に、大外を伸びてゴール前人気薄のヤマニンアルシオンを捉えきって2歳女王に輝いたのは、もう10年と少し前。
この頃まで存在したいた、懐かしのトリッキーコースの代名詞「ポケット」地点発走の少女決戦は、2年半後の春まで続く。

クラシックではダメ、という2歳激闘史における通説は、この年も該当。
同期の最優秀牡馬コスモサンビームも、春のうちに燃え尽き、秋以降は療養に入ってしまった。

対社台、対サンデーという裏テーマが、この世代のみどころ。
牝馬勢にも前記のスイ-プに加え、同冠名のアラバスタらもいて盛り上がりをみせた。
そこでシーズンの始めと終わりに輝きを放ったスイ-プとシュクル。
秋華賞で馬体を併せてゴールしたシーンは、まるで古馬戦での再会を誓いあっているかのようであった。
が、これも血の定めか。
長期離脱という名の呪縛に、彼女もまた苛まれる。
やはり、血は争えないもの。切なくて儚い少女の季節…。

 

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